• "財政再建団体"(/)
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  1. 茨城県議会 2007-03-19
    平成19年予算特別委員会  本文 開催日: 2007-03-19


    取得元: 茨城県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-12
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                  午前10時開議 ◯田山委員長 ただいまから,予算特別委員会を開会いたします。        ─────────────────────────── 2 ◯田山委員長 初めに,本日の委員会記録署名委員を指名いたします。  小池委員錦織委員にお願いいたします。        ─────────────────────────── 3 ◯田山委員長 これより議事に入ります。  それでは,第2号議案ないし第24号議案を一括して議題といたします。  これより,質疑に入ります。  最初に,小川委員。 4 ◯小川委員 おはようございます。自由民主党の小川一成でございます。  通告により,質問をいたします。  初めに,ことし1月8日開催されました全日本大学女子選抜駅伝競争について,知事に伺います。  私は,当日,テレビでこの大会を見ておりましたけれども,大変運営もスムーズに行われ,盛会裏にできたのではないかなと。テレビの生放送も全国ネットでされておったようでございますが,前回よりもコンマ5ポイント上がって6.8%の視聴率があったというふうに聞いております。  この大会は,埼玉県の前土屋知事が埼玉県に全国的スポーツイベントをということで主催の学連と交渉して実現したもので,テレビ東京系での生放送もあり,注目度の高いスポーツイベントに定着しつつあったものであります。  平成16年に第1回が行われ,昨年までに3回埼玉県で開催されてまいりました。しかし,第4回の開催に当たり,埼玉県の事務担当者がトップの上田知事に相談もなく警備上の理由で断ってしまったというような情報を得たものですから,私は,ちょうど昨年6月の文教治安委員会の中でこの問題を取り上げ,つくば市での開催に向けた強力な働きかけを学連にしたらどうかと提案をいたしました。と同時に,橋本知事にも全国ネットで茨城をPRするまたとない機会なので,総力を挙げて取り組んでほしいと話をいたしました。  このイベントは,県が主催の行事ではなかったにもかかわらず,橋本知事には迅速に動いていただき,ことし1月8日の開催にこぎつけられたわけでございます。知事のフットワークのよさが功を奏したわけでございます。  そこで,本県開催となった第4回大会について,知事の評価と感想を伺います。 5 ◯田山委員長 小川委員の質疑に対する答弁を求めます。  橋本知事
    6 ◯橋本知事 全日本大学女子選抜駅伝競争につきまして本県で今回開催できましたのは,まさに小川委員から,ベストとも言えるようなタイミングで適切な情報をいただいたことが大きく貢献しているところでございまして,それに基づきまして,私どもの方も早速迅速な対応ができたということでございまして,まさに小川委員が今回の本県開催の生みの親とも言うべき存在でございまして,改めて御礼を申し上げたいと思います。  そして,今回のテレビ放映を私も拝見いたしましたが,やはり長い時間,2時間半の長時間にわたってつくばの状況が映し出されるということは,ことしちょっともう少しポイントを変えてくれるといいようなところもありましたですけれども,全体としては,大変つくばのPRになってくれたと思いますし,また,スポーツの振興を図る上でも役に立ってくれたのではなかろうかなと思っております。  私どもも,できるだけの支援をしたいということで優勝チームへのトロフィー並びに副賞の贈呈などを行いましたほか,その他県の広報手段を使いまして,精いっぱいの広報にも努めさせていただきました。  また,開催地のつくば市から多数の市民の協力を得て,選手誘導や交通規制などできましたし,また,警察本部も大変交通量の多い中で一生懸命にやってくれたところでございまして,そういった結果によりまして,日本学生陸上競技連合保利耕輔会長からも,つくばでの初めての開催であったにもかかわらず,沿道でも多くの方に応援していただき,無事大会を終え,成功することができました。つくばは緑が多く,町並みが美しい,道路が広く,コースもフラットで好条件がそろっている,ぜひ来年以降もつくば市で開催したいというような言葉をいただいているところでございますので,私ども,今後もこの大会が当地にしっかりと根をおろしていき,そしてまた,全国の皆さんに親しまれる大会になっていくように,これからも大会運営の支援,協力をして頑張ってまいりたいと思っております。 7 ◯小川委員 ただいま,知事からは過分な評価をいただいたわけですが,いずれにしても大変よかったなと,本県やつくばのPRが2時間半にわたってできた,テレビの視聴率も上がったということで,本県にとっては非常によい結果をもたらしたということになるかと思いますが,逆に言うと,埼玉県は非常に残念に思っているようであります。  つくばに決定した後の昨年9月の埼玉県議会定例会で,上田知事は,担当課も,引き続き開催されるものと考え,積極的に動かなかった。熱心さに欠けた対応によって,結果として他県で開催するという結論になったと原因について語り,主催者側に強く働きかけをした。主催者側は,いったんは白紙に戻したけれども,最終的には他県になってしまった。私からは,主催者側には,いつでも埼玉での開催が可能であることを伝えてある。さらに,次回以降,多分,つくば市と,また埼玉県で受け入れについて競争関係になるかなというふうに思っている。再度挑戦してみたいと思っているというふうに答弁をしております。埼玉県の意思は非常に強いようでございますが,残念無念という気持ちが伝わってきております。  そこで,今後,この駅伝競争を第5回以降もつくばに定着させていくためには,例えば,県内の大学が出場するとか,あるいは県内の多くの選手が出場すれば,地元の関心も高まり,応援に一層力が入るようになるのではないでしょうか。  また,テレビ中継を通じ,本県のPRもさらに進むのではないかと思っております。そのため,優秀な選手の養成に力を入れることなど,本県としてもさらなる対応が必要かと考えますが,知事の御所見を伺います。  さらに,知事は,知事賞として優勝トロフィー,そして副賞として常陸牛10キログラムを贈呈されたと聞いておりますが,茨城県を全国にPRするには,常陸牛1頭ぐらいを,その場で提供するようなパフォーマンスがあってもよかったのではないかと思っておりますが,いかがでしょうか。 8 ◯橋本知事 今御指摘いただきましたように,地元大学の出身,あるいは本県出身の選手といったものが出場することが大変大事なのではなかろうかなと思っております。  これから,県のスポーツ振興基本計画に基づきまして,関係団体と連携を図りながら,中学校や高校段階から実技講習会ジュニア合宿などを通じた選手強化に取り組みますとともに,中学校,高等学校による一貫した指導方針のもとで,選手の育成強化を図ることができるよう,指導者の育成にも努めてまいりたいと考えております。  去年,アルゼンチンへ行きましたときに,実は,向こうの一世の高齢者の方から,駅伝強くなってくれと,そうじゃないと,向こうで駅伝見てても,楽しみがない。茨城県はどうもいつも遅いというようなお願いもされてきたところでございまして,何とか駅伝関係も本県,副知事が体育協会の会長もやっていますので,ぜひ力を入れてもらいたいと思っておりますし,具体的に申し上げれば,やはり筑波大学,もう少しというところでありますので,筑波大学にも頑張っていただくように声をかけていきたいと思っております。  それから,1頭牛をそのまま持っていくということはともかくといたしまして,本県産を使いながら,本県産品のPRに少しでも役立つような形での大会への協力という形にも心がけていきたいと思います。 9 ◯小川委員 これが常陸牛だよとテレビで見せるのもいいのかなというふうに思っています。知事にはありがとうございました。  次に,霞ヶ浦の浄化問題についてお尋ねします。  初めに,利根導水路の通水についてでございます。  霞ヶ浦と利根川とを結ぶ利根導水路については,昭和60年に着工し,平成8年3月に完成して以来,11年余りたっているわけでございますが,いまだに運用されておりません。この件については,平成17年3月14日,先日御逝去されました川口先生が,この予算特別委員会でかなり激しく激論を交わしておりました。それに答えて,麦島企画部長は,水質浄化に関しては,この利根導水路がかなり効果があるというふうに考えているので,全力を尽くして国に働きかけをしていきたいというふうに答弁をしております。  そこで,今日までどのような取り組みをしてきたのか。なぜ運用できなかったのか,お尋ねいたします。  さらに,平成18年度は,試験通水の予算がついたにもかかわらず,なぜ実施できなかったのか,あわせて今後の見通しも含めてお尋ねをいたします。 10 ◯麦島企画部長 お答えを申し上げます。  利根導水路でございますが,委員から御指摘のように,平成7年度に完成をいたしてございます。平成7年9月にその機能確認のために水を流したところでございますが,その結果も踏まえつつ,国土交通省では,平成9年12月より漁業補償交渉を進めてございます。  利根川に関連いたします7漁協で申し上げますと,平成11年に3漁協,平成13年に2漁協,平成17年4月に1漁協と,漁業補償契約を締結しているという状況でございます。  2年前の予算特別委員会で強い御指摘を受けまして,私も,それ以降,例えば,県の中央要望,また,県と関係市町村で構成いたします霞ヶ浦導水事業建設促進協議会等々を通じまして,あらゆる機会を通じ,国土交通大臣県選出国会議員等々に働きかけをしてきている。また,現地で事業を具体に進めてございます工事事務所等に対しましても,強く働きかけを行ってきているところでございます。  残念ながら,今のところ,残る1漁協につきまして,導水事業によります利根川下流域の水産資源への影響を懸念してございますので,いまだ漁業補償契約を締結してございませんが,その中で,この1漁協につきましても,試験通水に関しましては,基本的に御同意をいただいているという状況でございます。  試験通水を段階的に実施して機能確認を行うということにつきましては,この間に御同意をいただいているという状況でございます。それを踏まえまして,平成18年度,国土交通省におきましては,この試験通水に向けました予算を計上しているという状況でございます。  それで,今年度,今まででございますが,この試験通水の実施に向けまして,導水をした場合の水の流れの変化とか,水質の予測シミュレーション,また,施設が正常に機能するための施設操作手法の検討などを行ってきているというのが今年度の状況でございます。  しかしながら,これまでの調査で,若干一部流況データ等が不足をしてございますので,来年度におきましては,データの補完を行いまして,関係機関等への説明にも努めながら,平成19年度中には,利根川から霞ヶ浦の試験通水を実施していく予定になっているという状況でございます。  今後とも,早期の試験通水に向けまして,全力で国に対しまして働きかけを行っていきたいと思ってございます。 11 ◯小川委員 2年前から平成17年も含めまして,大分国に働きかけをされてきたということで,昨年は予算までつけて,試験通水の段取りまでとることができたと,私は大変努力をされたのかなというふうに思っておりますし,その結果も出てきているなと。ただ,残念なことに,本当ならば,今年度中に試験通水までいきたかったなというふうに思っております。麦島企画部長さんには,通算4年間,本県において大変御尽力をいただきました。今般,本庁の方にお帰りになるということを伺っておりますけれども,本来なら,部長がいる間に試験通水ができたらもっとよかったかなというふうに思うところでございますけれども,どうぞ,本庁にお帰りになっても,本県のことにさらに気配りをいただきますように,そしてまた,健康に留意されて御活躍されるように御祈念をいたしまして,部長に対する質問は終わります。  次に,霞ヶ浦の砂利採取問題について,生活環境部長にお尋ねいたします。  この問題については,平成8年から私は取り上げて,早期にやめさせるべきだというふうに申し上げてきました。霞ヶ浦の自然浄化については,重要な役割を果たしている砂利や砂でございますので,できるだけ早いうちにやめさせた方がいいということを申し上げてきたわけでございます。  そこでお尋ねをいたしますが,砂利採取限度力,国が決定して,その範囲内で業者ごとの採取量を決定しているが,どんな根拠でそれを決定しているのか。それからまた,直近の採取量はどのくらいなのか,あわせてお伺いをいたします。 12 ◯替地生活環境部長 霞ヶ浦の砂利採取問題についてお答えをしたいと思います。  最初に,規制計画の根拠,それからもう1点は,最新の許可量というお尋ねについてお答えをしたいと思います。  砂利採取につきましては,国の許可ということになってございまして,平成17年度に小川委員からも砂利採取について御指摘をいただいたところでございます。  県といたしましては,国土交通省の方に対しまして,砂利採取に対する考え方,あるいはどのような状況なのかということに関して照会,要望等をいたしたところでございます。  その結果,国からは,平成17年度から平成19年度の3年間の第14次の規制計画における年間採取限度量を,それ以前の第13次,これは平成14年から平成16年でございますが,その32.5%減としたこと,それから,採取箇所を護岸から250メートル以上離すこと,あるいは深掘りを防止するため,採取する深さを霞ヶ浦の平均水深であります4メートルまでとすることなどの採取規制を行っているとともに,湖内環境への影響を検討しているという回答があったところでございます。  さらに,第14次,現在入っている平成17,18,19年度でございますが,ここの計画におきましては,水産資源や植生帯に対する影響を及ぼすことのないよう,一定距離,植生帯から200メートルとか,さまざまな条件を付しているというふうに聞いてございます。  また,個々の許可条件に当たりましては,水質への影響を防止するため,採取船内で選別する場合,ヘドロを湖内に戻すことになるという場合については,船の周囲に汚濁防止幕を設置する,あるいは陸上で選別する場合においては,周囲に悪影響を及ぼさないように留意することなどの具体的な許可基準に基づいて行っているということでございます。  あと,量につきましては,この10年間見てみますと,事業者は,15から7に減っておりますし,許可実績等につきましても,10年前が44万3,000立米ございましたが,現時点は23万2,000立米と半減している状況にございます。 13 ◯小川委員 今年度中にも導入が予定されている森林環境税の新税まで創設する一方で,自然の湖底を奪っていくような施策は矛盾しているのではないかというふうに私は思っております。早期にやめさせるよう,国に働きかけていくべきではないかと思っておりますが,御所見を伺います。 14 ◯替地生活環境部長 新霞ヶ浦条例におきまして,あらゆる水質への影響を防止するために点源負荷を削減するといいますか,流さないようにする。何らかの浄化をしてから流そうということにしたわけでございますが,湖内については,御承知のように直轄河川ということでございまして,そういう条例の趣旨等については,国の河川整備計画等と整合を図るように国の方にもいろいろな御相談をしているところでございます。  その中で,この砂利採取につきましては,採取という行為が水質にどういう影響を与えるのか。これについては,先ほどちょっと申し上げましたが,平成17年に国の方に照会をしたわけでございますが,いろいろな防止措置はとっているとしても,我々霞ヶ浦研究を長年やっておりまして,ヘドロから燐が溶出して夏場にはアオコの増殖に結びつくということがあるわけでございまして,多少なりとも,やはり燐が溶出するという行為につきましては,少なからず影響を懸念しているわけでございます。  したがいまして,次の計画は,いわゆる国の規制計画は,平成20年度から平成22年度までになるわけでございまして,その計画につきましては,平成19年度に国において検討されるということでございますので,私ども県といたしましては,水質条件のためにあらゆることに取り組むという強い意思のものに,さらに縮小することができないかということも含めまして,国に働きかけをしてまいりたいと考えております。 15 ◯小川委員 まさにあらゆる方法をとってということだと私は思っております。レンコン産出日本一ですね。それから,養豚産出額第2位という本県では,将来に向けて,霞ヶ浦の保全を考えた場合,今,面源対策として農地や市街地から流れ込む水の浄化を徹底するため,これは私の新しい提案なんですが,霞ヶ浦の周囲全域において,湖畔から500メートルないし1キロメートルの幅を規制区域とするなど何らかの網をかけることも視野に入れて,対策を行う必要があるのではないかというふうに私は思っているわけですが,部長の御所見を伺います。 16 ◯替地生活環境部長 大変難しい御質問でございますけれども,霞ヶ浦の負荷量,窒素,燐,その他有機物の負荷の原因というのは,3分の1が生活排水ということで,あと3分の1が,いわゆる農業系の排水でございます。この実態につきましては,霞ヶ浦の流域を歩いてみますと,やはり生活排水と農地の排水が至るところで一緒になっている状況もございまして,用水と排水路がかなり混濁していると申しますか,そういう状況もございまして,私どもの負荷モデルから申しますと,先ほど言った構成割合になるわけでございますが,はす田の負荷量全体としては,全体の負荷の1.1%でございます。  ただ,非常に湖岸に隣接しておりますので,非常に濁水が目立つという状況はございますが,周囲全体,流域全体としての負荷量のモデルから申しますと,何らかの形で河川等を通じまして,流末は霞ヶ浦に行くということでございまして,点源をまずきちっとカットする,あるいはさまざまな経路を通って最終的に霞ヶ浦に入るわけでございますので,面源対策を今後十分行っていく,点源と同時に,流入する部分と2段階でカットしていくということが重要なのではないかなというふうに思っている次第でございます。 17 ◯小川委員 このたびの新税導入に当たっては,霞ヶ浦の浄化が大きな目的として実施されようとしているわけですから,目に見える形で浄化が進まなければ,とても新税導入などということは県民に理解されませんよ,これは。それで,今回の森林の保全と霞ヶ浦の浄化をするというような目的で,新税を導入するということは,いわばこれは最後のカードを切るわけですから,今までのように1兆1,000億円もかけて,少しも浄化がなされなかったという言いわけはもう通用しないということでございますので,どうか全知全能を使って,腹をくくって対応していただきたいというふうに申し上げておきたいと思います。  次に,教員研修の充実について,教育長にお尋ねをいたします。  まず,教員の採用前研修について,私は,昨年,6月の議会で質問をいたしました。早速ことし1月から2月にかけて実施をしたというふうに伺っておりますが,その研修の実施内容と全体の参加者数及び参加割合について,まず伺います。 18 ◯稲葉教育長 採用前研修についてお答えいたします。  今年度初めに実施した採用前研修,全体研修1日と学校現場で,教育活動を体験研修する配属予定校等での研修1日の合計2日間の研修で実施をしております。1日目の研修,これは小中高校,特殊養護教諭すべて修了しております。  研修内容につきましては,講師にかかわらず受講者全員に共通のもの,例えば,これからの教員に期待すること,具体的には各課長が講話等をしております。それから,教員としての心構え,さらに初任者研修の概要,そして平成17年度初任者研修受講者の実践発表,これが受講者全員に共通のものでありました。  それから,学校種ごとの研修の特徴としましては,小中学校においては,子供の保健安全について,高等学校は,来年度から実施します道徳の全校履修について,それから特別支援関係は,指導案の作成,こういうことが学校種で違うところがあります。  それから,2日目の学校等での研修内容,これは特殊関係は,もう修了しておりますし,これは時期がまだずれております。高等学校は現在実施中,小中学校は春休みになってから実施というふうに時期がずれておりますけれども,予定は受講者全員に共通のものが校長による面談,教頭等による講話,関係教職員からの講話,それから学校種ごととすれば,小中学校では,学級担任としての心構え,高等学校では,関係教科等の授業参観,部活動等,特別支援は,授業,あるいは特別支援学校の教員としての決意,こういうのが内容でございます。  研修の参加状況でございますが,1日目につきまして数字を申し上げますと,今年度採用予定者461名という数字でありまして,当日の参加者は,うち433名,割合にして93.9%,こういう数字でございました。以上です。 19 ◯小川委員 ほとんどの新採教員が参加したということでございますが,その際,実施したときに,アンケートをとったということも伺っておりますし,そのアンケートの報告を聞いておりますと,ほとんどの方が参加してよかったというふうなことを,そのアンケート調査からうかがい知れたということでございました。  そうしますと,結果から見ると,それだけ新採の先生は不安を抱いているのかなという感じもしておりますので,そこで提案でございますが,これ,2日ぐらいしか実施予定がないんですよね。ですから,もう一,二回研修を行ってもいいのではないかなというふうに思っておりますけれども,御所見を伺います。 20 ◯稲葉教育長 委員のお話もありましたように,アンケートの中には教員に4月からいよいよスタートすることについて不安いっぱい,しかし,この研修で随分解消されたというようなお話がたくさんありました。  御指摘の日数をもう少しふやしてはいかがかという御提案でございますが,この日数も含めまして,研修内容や研修方法等について,アンケートの結果,あるいは実施校の校長の意見等を詳細に把握した上で,再度検討して,よりよい採用前の研修の実施に取り組んでいきたいと,そのように考えております。 21 ◯小川委員 子供は先生を選べないわけでありますから,充実した教員研修によって能力を高めることが重要であるというふうに思っております。  そこで,次に,初任者研修の実施について,これ,4月から始まるわけですが,その件について伺いたいと思います。  現在の研修日程は,年間を通して25回実施しておりますけれども,そのすべての日程は,平日の研修になっております。私は,児童生徒の授業時間を研修に充てるような研修計画は立てるべきではないと考えております。着任早々,担任の先生が研修でいつもいないというのでは,子供は落ち着かないし,学習効果も上がらない。これでは何のために,だれのために初任者研修があるのか,わからないのではないかというふうに思っております。平成19年度の研修は,これからでございます。  そこで,教師の研修は,子供たちの犠牲の上で行ってはならないというふうに私は思っておりますので,でき得る限り,夏休みや冬休みに行うよう計画を組み直すべきだと思いますが,教育長に伺います。 22 ◯稲葉教育長 初任者研修の特質を考えた場合に,1年間の研修全体を見通して,それぞれの内容に合った時期に行うことが必要であると考えております。  一方,ただいま委員の御指摘にございましたように,児童生徒の学校生活を考えたときに,授業日における研修や出張をできるだけ控えて,教員が学校を空けることを少なくしていくことが大切だと,そのようにも考えております。  平成19年度については,できるだけ最初に出会う子供たちと触れ合う時間を多くとれるように,つまり年度初め,昨年までは始業式が済んでから開講式を実施しておりましたけれども,今回,始業式前に開講式を実施して,1日でも学校にいる時間を確保したところであります。  見直しができるものについては,今年度についてもさらに検討してまいりたいと,そのように考えております。 23 ◯小川委員 平成19年度の計画の中においては,できるだけ子供に負担がかからないように調整してほしいというふうに思っております。微調整しか平成19年度はできないということであれば,平成20年度は抜本的に私は見直すべきではないかというふうに考えております。あわせて,その際,研修内容にも斬新なものを取り入れることが必要であるというふうに思っておりますし,研修実施に伴う復命書や報告書,あるいはその他のいわば先生方の雑用と言われているものから先生方を解放してやったらどうかというふうにも考えておりますので,ぜひそういったことも含めて抜本的改正をしたらどうかというふうに思っておりますが,御所見を伺います。 24 ◯稲葉教育長 教育を取り巻く環境の社会情勢の大きな変化,あるいは本県で言えば,これは全国的にも同じかと思いますが,ベテラン教員の大量退職がこれから近々現実に起こってまいります。  したがいまして,初任者研修の受講対象者もどんどん多くなっていることが予測されております。こういう中で,初任者研修の意義を踏まえ,必要な研修の内容面を十分に考慮して,時期や実施方法,実施日数などについて検討していく時期が来ているものと,そのように考えております。  今後,教員研修全体の中で,初任者研修はどのようにあるべきかを踏まえた上で,毎年開催しております初任者研修実施協議会において,初任者にとって必要な研修についての内容を十分に考慮して,実施時期や方法,日数などについて協議していくとともに,校長や受講者からの意見を参考にしながら,さらに本県としての初任者研修の改善充実を図ってまいりたいと考えております。  また,御指摘の教員の,特に初任者の忙しさについてでございますけれども,初任者が配属される学校の校長全員を集めて,今年度末に,すなわち新年度が始まる前,3月末に初任者研修校長等の連絡協議会,これは例年開催しているものですけれども,ここにおいて,初任者に対しては,校務分掌の軽減,初任者研修以外の出張の軽減を図るように指示をしているところです。  今後一層,各学校に働きかけていくことはもとより,指導主事等による学校訪問時に初任者と面接を行うなどして,勤務の状況や悩み等について話を聞いて,精神面での支援も含めて,初任者の多忙感の軽減を図ることができるようにしてまいりたいと思います。  さらに,教育研修センターにおける校外研修においても,課題研究やレポートのあり方などについて検討をしてまいります。 25 ◯小川委員 わかりました。  それでは,次に,いじめ防止と下館中学校における「君を守り隊」についてお尋ねをしたいと思います。  平成8年にいじめによる事件や自殺者が社会問題になった時期に,生徒会が中心となって有志を募り,下館中学校にいじめをしない,させない,許さない,そして「君を守り隊」のスローガンのもとに,君を守り隊が発足し,今日まで10年にわたって活動を続け,いじめの未然防止に効果を上げてきていることについて,教育長は御存じでしょうか。いつごろ,どんな機会で,この運動を知ったか,手短にお願いします。 26 ◯稲葉教育長 平成11年に本県でいじめ問題の克服のためにというリーフレットを作成時,私当時,高等学校担当をしておったんですけれども,その当時は,取り組みの名前と下館中学校が取り組んでいるということは聞いておりましたが,活動の詳細については,不勉強でございました。 27 ◯小川委員 私は,昨年,文教治安委員会に所属しておりましたけれども,不覚にも,この君を守り隊という言葉すら知らなかった。ことしになって,新聞報道,あるいは朝のみのもんたのテレビで話題になって初めて知ったわけでございます。  いじめ問題が自殺者まで引き起こすような社会問題化されている折に,本県のおひざ元ですばらしい活動をしていたことを知らなかったのは,どうも私だけではなかったようで,教育長も知らなかったということですから,いかにPRが不足していたのかというふうなことを強く感じるわけでございますが,どうしてこんなすばらしい運動をもっと全県的に知らしめなかったのか。全県的に知らしめて,褒めてやったらどうなのかなというふうに私は思っているわけでございます。  全国が注目しているわけですから。あわせて,いいことをやっているわけですから,校名を出して,茨城県の中でも,ここでやっているのを知っている人は少ないんですよ。非常にネーミングもすばらしいし,こういった運動をこれからもさらに発展できるように,私は教育長が中心になって,全県下で運動が展開できるようにやったらどうだというふうに提言するものなんですが,御所見を伺います。 28 ◯稲葉教育長 御指摘のように,下館中学校という固有名詞は,リーフレット等でも使っております。インターネットにも同じく今載っていますけれども,具体的には,学校名は提示しておりません。  この友達相談事業の例として,生徒や教員を対象とした研修会で紹介するなどしてきておりますが,当時の下館中学校の生徒たちの思いや,これまでの活動の内容や方法をこのリーフレットやインターネットで紹介しているという状況であります。  さらに,近く,文部科学省から学校に配布される予定のいじめ問題対策実践事例集の編集に当たっては,県から,この君を守り隊の取り組みの情報を提供したところ,すぐれた取り組みとして掲載され,今年度中に全国の小中学校に紹介されることになっております。  リーフレットでは学校名,掲載しておりませんが,当時,掲載については,学校に伝えておりまして,少なくとも当時の生徒たちにとっては励みになっていた。それから,本県の事業にございます…。 29 ◯小川委員 はい,わかりました。最後に,教育長ね,平成19年度の事業では,いじめ問題対策事業費として3億4,600万円が計上されているわけでございますけれども,生徒会が中心になって学校と協力をして進んでやる運動ですから,これは予算かからないんですよ。少しだけ大変なところを県が手をかしてやる,あるいはPRしてやる。そうすれば,あっという間に全県下にこれは広がるということでありますし,全国から注目されているわけですから,この君を守り隊の運動を茨城県教育委員会が積極的に取り上げて,全県下の運動にして展開してみてはどうかということを提案するものですが,最後に答弁を伺って終わります。 30 ◯稲葉教育長 君を守り隊,もう10年になりますけれども,実は,この間に,やはり県内の幾つかの学校で同じような取り組みが,参考にして進んできておりまして,それぞれ独特の名称がつけられております。  今後,仲間同士のきずなづくりプロジェクト,あるいは生徒が主役明るい相談づくり等,いじめ問題対応のための趣旨の大きな事業を進めるに当たりまして,文部科学省の資料を用いるなどして下館中学校の実践内容を紹介してまいりたいと思います。  同時に,こういう下館中学校のような取り組みが第2,第3,第4と県内に広まっていくことを期待しているところであります。 31 ◯小川委員 いじめ防止に,君を守り隊というネーミングを上回るものがないんですよ。そこら辺を重々考えて,運動の展開をしていただけるようにお願いして終わります。  以上です。ありがとうございました。 32 ◯田山委員長 次の質疑に移る前に報告いたします。  大内委員から質疑に当たってパネルを使用したい旨の申し出があり,特定の団体や個人のプライバシーにかかわるものでないことから,委員長においてこれを許可いたしました。  ここで,パネルの写しを配付させます。                 〔パネル写し配付〕 33 ◯田山委員長 大内委員。 34 ◯大内委員 日本共産党の大内久美子です。  最初に,特別支援教育についてお尋ねいたします。  新年度から学習障害,注意欠陥・多動性障害,高機能自閉症など軽度発達への子供の支援について,特別支援教育元年として本格化いたします。
     文部科学省は,軽度障害の子供は,全児童の6.3%,全国では十数万人と推計をしております。本県の特殊学級在籍児は,3,615人を超え,この5年間で,小学校では28%,中学校では22%とふえています。本県では,軽度障害の子供の実態をどのように把握しているのでしょうか,教育長に伺います。 35 ◯田山委員長 大内委員の質疑に対する答弁を求めます。  稲葉教育長。 36 ◯稲葉教育長 お答えいたします。  ただいま,委員の御指摘にもございましたように,全国の調査によりますと,約6.3%の割合でLD,あるいはADHD,あるいは高機能自閉症等の障害の児童生徒が6.3%で存在する可能性があると,そのようなことで報告されております。  この割合からすれば,本県では,約1万6,000人の学習障害等の児童生徒が小中学校に在籍していると,そのように推定されます。  学習障害等の児童生徒の教育的対応につきましては,通常の学級の中で,指導内容の方法,改善を図っていくことが基本ですが,障害の状況に応じ,通級による指導での個別指導も行っている状況です。 37 ◯大内委員 実態については十分に把握はできていないと聞いております。これまでも,特別支援コーディネーター養成などの支援体制づくりが始まっておりますが,残念ながら,コーディネーターも兼務であり,専任の教員ではありません。文部科学省は,平成19年度からやっと特別支援教育支援者配置を決め,交付税措置をしたところです。必要な教員の配置を国に求めると同時に,本県としてどのように取り組んでいくのか,伺います。 38 ◯稲葉教育長 小中学校における特別支援教育,ただいまのお話ありました,特別支援教育コーディネーター,この主な役割は,校内の連絡調整,それから相談窓口等でありまして,御指摘の専任の配置につきましては,公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律,いわゆる標準法において規定はありませんが,本県では,特殊学級担任や教務主任,生徒指導主事がこのコーディネーターを兼任をしております。  教員の研修につきましては,平成16年度,平成17年度の2カ年で,県内のすべての小中学校811校のコーディネーターを対象に研修を実施しております。  さらに,異動などを考慮して平成18年度は321名の新任コーディネーターの研修を実施したところであります。  御指摘の国から特別支援教育支援員の必要な経費については,地方財政措置を予定であると,これは平成18年12月27日付で通知がございまして,その趣旨を徹底するために,1月16日付で県から各市町村教育委員会に通知したところであります。  その国の方の地方財政措置の内容は,特別支援教育支援員は,平成19年度に全国で2万1,000人を配置ということでありますが,単位費用算定基準等を示した正式な通知が総務省からことしの6月に出されるということですので,その時点で詳細については,改めて市町村に通知してまいりたいと思っております。 39 ◯大内委員 私どもも,軽度の障害の子供がその子に合った教育が受けられると,これは当然のことであり,しかし,そこにはきちんとした教員の配置など取り組みがなければならないということで,今の教育長の御答弁ですと,国からの指示待ちということですね。そして,専任の指導体制はいまだにできていないということで,私は,これらについてきちんと県として,自分たちの自主的な取り組みで体制を整える必要があると強く求めます。  要望の強い介助を必要とする子供たちへの支援策について伺います。  現在,特殊普通学校に在籍して,介助を必要としている子供は,全県で165校,212人おります。そのため,市町村では,独自に臨時や嘱託職員として介助にかかわる人たちへの支援策をとっています。教育補助員,障害介助員など名称も,内容もさまざまです。  水戸市では,平成16年から補助員の配置要綱を決め,現在17校に20名の子供が在籍し,年間4,800万円の支出をしております。補助制度の充実を求める保護者の要望にこたえて,来年度はさらに拡充策をとる予定です。  国が制度化していないことが大きな問題ですけれども,本県でも,実際にこのような教育が行われていると,そこに茨城県は,人的にも財政的な支援もまだ行っていない。ここに現場と茨城県の教育委員会の差があるわけです。ずれがあります。茨城県都市教育長協議会,茨城県町村教育会は,十数年来,毎年,専任の指導教諭や非常勤講師の配置,介助員の配置を県に要望しています。一向に前進しておりません。ぜひとも前向きに取り組む決意を述べてください。 40 ◯稲葉教育長 先ほどお答え申し上げましたように,専任の配置については,現在のコーディネーターの兼任の形をとっているところであります。  それから,財政措置につきましては,県としては,この趣旨を説明するなどして有効に活用されるよう,市町村に働きをかけてまいりますが,障害のある児童生徒が適切な支援,指導を受けることができるようにするためには,支援員が障害の特性を理解し,指導力を高めることが重要であると考えます。 41 ◯大内委員 介助員について。 42 ◯稲葉教育長 御指摘の国の文書の支援員は。 43 ◯大内委員 わかりました。介助員の補助。 44 ◯稲葉教育長 介助員,あるいは学習指導員と,これにつきましては,国の制度を有効に活用されるよう市町村に働きかけてまいります。 45 ◯大内委員 教育長,現場で,現実に障害を持った子供が普通学級,それから特殊学級,それぞれ通っておりますが,介助が必要です。そのために,全県では,212名の子供が介助を受けて,それを市町村が支援して,茨城県はまだ支援策をとっていないと,このことについてぜひ支援策をとるべきだと強く要望して,この質問は終わります。  次に,霞ヶ浦導水事業について伺います。  那珂川,霞ヶ浦,利根川の水を地下50メートルのトンネルでつなぐという日本で例のない大事業が始まって23年がたちました。1,900億円の事業費のうち1,440億円も費やし,本県の負担は653億円にも上っています。事業費では76%も使いましたけれども,トンネル工事は37%の進捗率です。那珂川の取水口が決まらないのに,トンネル工事だけは進めてしまいました。  本議会の一般質問で,取水口について企画部長は,漁協の関係者の理解が早期に図られるよう交渉を進めていると答弁しました。なぜ,漁協の理解が得られていないのか,企画部長にお尋ねをいたします。 46 ◯麦島企画部長 お答えをいたします。  那珂川の取水樋管でございますが,この樋管の早期着工に向けましては,栃木県を含めた那珂川流域の漁業協同組合に対しまして,漁業交渉を進めてきているという状況でございます。  この間,那珂川と霞ヶ浦間の水のやりとりの問題や,それに伴います水質への影響などについて話し合いを進めてきてございますが,現在の交渉のポイントといたしましては,漁業協同組合からふ化直後の魚類等が取水樋管に吸い込まれるのではないかという懸念が示されているという状況でございます。  国土交通省におきましては,この対応策について取りまとめまして,那珂川のすべての関係漁業協同組合に対して説明を行ったと聞いてございます。  現在,これらにつきまして御理解が得られますように,精力的に説明を重ねて交渉を継続しているという状況でございます。 47 ◯大内委員 県内では3つの漁協が共同漁業権を持っており,この那珂川で組合員は3,600人おります。私は,那珂川漁協の関係者と懇談をしてきました。同意しない理由は明確です。アユやサケの零点数ミリの稚魚が吸い込まれてしまう。那珂川の自然の姿を未来永劫残していきたい,補償の問題ではない,那珂川の自然はお金にはかえられないと力強く話していました。6年前には,霞ヶ浦導水の建設中止を求めて,これまで本県負担分を返還するよう住民監査請求と訴訟が行われています。  争点の一つは,これだけの事業費をかけても,浄化効果は霞ヶ浦のCOD,1リットル当たり0.9ミリグラムしか削減できないことです。霞ヶ浦の水質は,CODは7.2,湖水の環境基準の2.4倍,そして窒素は0.92で,基準の2.3倍,燐は0.11で3.7倍にもなっています。漁協関係者が霞ヶ浦の汚濁水は一滴も要らないと主張しているのは当然です。  霞ヶ浦導水を初め,水源開発の理由として,今議会で,私ども山中議員の質問に,都市用水の確保に加え,水質を浄化したり,魚類等の生息環境の保全を図るなど,環境用水としての活用を検討していきたいと答弁をしております。  さきの住民訴訟では,霞ヶ浦の外来魚の稚魚や卵が那珂川水系に移送されるので,在来魚が駆逐される危険性が高いとの訴えに,知事は,不知,知らぬと下しました。万一移送されるとしても,在来魚が駆逐される危険性が高いとまでは言えないと回答しているのです。  霞ヶ浦導水を考える県民会議は,霞ヶ浦の在来種漁業地域文化の危機的状況は,那珂川や涸沼では,今後十分起こり得る。サケ,アユを中心とする那珂川の漁協,この資源が瀕死の状態に追い込まれるのは危険は十分にあると説明をしているのです。  私は,環境用水への活用を理由に,導水を進めることは重大な環境破壊への道につながることを指摘し,霞ヶ浦導水事業の中止を強く求めるものですが,企画部長の所見を伺います。 48 ◯麦島企画部長 まず最初に,御指摘の那珂川におきますいろいろな御心配につきましては,メニュー対応策に対しまして,十分案を考え,十分に御説明をし,御理解を得ていく努力をしていくということであろうと思っています。  なお,霞ヶ浦の水質浄化効果につきましては,1点挙げさせていただければ,現在,年間に1.9回水が入れかわっているのが,6億トン導水いたしますれば,年間に2.8回入れかわる,このことによりまして,十分水質浄化効果があると考えてございますし,また,外来魚の移動の話もございましたが,これに対しましても,迷入防止措置等々を適切に設置するというようなことにより,十分に対応できるというふうに思ってございます。  なお,外来魚の定着率等々の問題いろいろございます。必要な調査を継続的に実施するということであろうと思います。  いずれにしましても,導水事業につきましては,都市用水の確保,水質浄化両面におきまして非常に大きな効果があるというふうに思ってございます。  今後とも,事業の進捗に万全を期したいと思ってございます。 49 ◯大内委員 大規模な公共事業,国直轄事業はいったん始めたらやめることはない。しかし,那珂川からの取水口が決まらないのにトンネルだけはつくって,絶対反対と漁業関係者が言っている。そして主張して頑張っている。このときに,本当に進めるのかどうかということは,これは真剣に調査をし,そして,いったん凍結をしなければならない,これが私は今度の環境問題で重要だというふうに思っております。  企画部長は,今の答弁では,そのような真剣な別の生態系の川と湖を結んで,生態系が壊れてしまう,アユが死んでしまうと,これだけの重大なことを訴えていることにどれだけ危機感を持っているのか,私は非常に疑問でございます。  国の方に行っても,いったん始めた公共事業について見直しをするということに私は本格的に取り組んでいただきたいと強く求めて,この質問は終わります。  次に,県工業団地への進出企業について,知事にお尋ねいたします。  最初に,県と開発公社の工業団地の保有地,分譲状況,売れ残っている面積について明らかにしていただきたいと思います。 50 ◯橋本知事 県及び開発公社を合わせました分譲可能面積は,平成19年3月現在で,約1,000ヘクタールございまして,うち,これまでに分譲が終了した面積が約316ヘクタール,未分譲の面積が約684ヘクタールでございます。 51 ◯大内委員 約1,000ヘクタールの開発をして,3割しか売れない。7割も残っている。これが現状です。  この中でも,茨城中央工業団地は,116ヘクタールと一番広く,全保有面積の6分の1を占めています。しかし,分譲率は3.2%で,最も低い状況です。第1期分譲は,平成12年度から行われ,売れない状況のもとで,平成15年度には第2期分を工業専用から準工業地域に用途変更をしました。この2期分の団地内に場外車券場の建設計画について,昨年10月24日事業説明会が開かれました。これを受け,地区住民は,安心,安全,交通,地域の発展の立場から絶対反対の決議を11月20日に町長に提出をしました。  知事は,この動きを知っていたのでしょうか。県の工業団地にギャンブル場は認めないという基本方針を示すべきですが,見解をお示しください。 52 ◯橋本知事 具体的にこの地区の方で町長のところに,今申し上げられたような形での決議書というものを出していることについては,聞いておりませんでした。この質問をされるということをきっかけに調べましたところ,この決議書の写しをもらいまして,決議がなされていることを知ったところでございます。  また,同時に,この地域については,もう既に変更がされておって,最初の場所から候補地を変更して説明会を別な地域で開催しておって,そちらでは同意されていると聞いておるところでございます。  また,県の工業団地への進出につきましては,私どもといたしましては,もともと産業の活性化と雇用の創出ということで,それに寄与するものをという基準で選択をしていくわけでございますが,ただ,一方で,例えば,ものによりましては,多数の雇用などが発生する場合もございますので,地元の意向等も踏まえて,そういった面積が一定割合以下であるような場合には,認めていくこともあり得るのかなと考えております。 53 ◯大内委員 知事は,大変重要な答弁をしております。一定程度認めていくのもあり得るかなということでございます。茨城中央工業団地は,用地補償で188億円,事業費で163億円,合わせて351億円が投入されました。県が開発公社に委託をして事業を行っています。開発公社は,事業費を金融機関から借金をし,知事が全額損失補償をしております。今議会で問題になった住宅公社の2.5倍,1,455億円もの損失補償を開発公社に行っているわけでございます。  私は,現地調査を行い,上下水道完備の広大な売れ残りの土地を目の当たりにして,開発行政の失政の象徴だと実感しました。当団地のパンフレットには,21世紀のゲートウエイいばらき,陸・海・空の充実した交通ネットワーク,高度情報に対応した情報通信基盤,限りない発展の可能性が新たなビジネスステージを提供しますと記しています。住民の反対決議には,ギャンブル場進出はイメージの悪さや環境の悪化が考えられる。農地を提供した本来の意味がない。工業団地に望みを託したが,ますます将来に夢と希望もなくなってしまうと訴えています。  税金でつくった工業団地にギャンブル場建設を認めることは許されません。知事の所見を伺います。 54 ◯橋本知事 今,委員がおっしゃられました決議書の内容は,まさにそのとおりでございますけれども,片一方で,地域の方が場外車券場の設置に係る同意書の中で,新しく変更されたところでございますけれども,こちらでは,サテライト茨城の施設内容及び建設運営等につきましては,説明会等を通じて地区住民の日常生活への諸問題の発生がないことなどを理解し,茨城町及び南栗崎地区の地域振興や茨城中央工業団地の分譲促進に資するものと確信できましたので,場外車券場サテライト茨城の設置に同意しますという同意書もございまして,私どもは,こういった状況の中で,地元としてどういう方向を向かれるのかを今見守っているところでございます。  雇用とか地域振興とか,税収増などに効果があって,地元が積極的に導入を進めていきたいという場合には,先ほども申し上げましたように,場合によっては,県として立地を承認することもあり得るものと考えております。 55 ◯大内委員 知事は,覚えているでしょうか。私は,平成14年の第3回定例議会予算特別委員会で,ひたちなか地区の場外馬券場建設中止を求める住民運動を支援し,知事に質問をしております。建設予定地は,区画整理後の民間換地の土地でした。隣接地は,県土地開発公社の所有でした。知事は,そのときの理事長です。そして,この地域の県有地をそういう用途で使うわけにはいかないとお断りを続けてきたと答弁をしているのです。県有地にギャンブル場を使わせてはならない,これが知事の答弁でした。莫大な税金を投入して莫大な売れ残りを抱えている工業団地にギャンブル場を認めてしまったら,開発行政の失政を天下にさらすものになってしまいます。  全国的にも,工業団地にギャンブル場建設はありません。認めない明確な方針を打ち出すことを強く求めて質問を終わります。  次に,政務調査費について,知事,この点については,質問は終わりますけれども,あなたの言明は一貫していない。県有地に今まで認めてこなかった。それを私は貫いていただきたいということでございます。 56 ◯橋本知事 今,一貫していないということでございますけれども,私としては,地元の意向を重視するという意味で一貫しておるつもりでございます。 57 ◯田山委員長 今の質問は終わっていないんですね,大内委員。 58 ◯大内委員 この点は終わります。 59 ◯田山委員長 次の質問に行きますか。 60 ◯大内委員 はい。次に,政務調査費について質問いたします。  政務調査費は,議員1人30万円分が会派に交付され,年間の総額は2億3,400万円です。県民生活や県財政が苦しくなっている中,使い方をめぐって透明性,公開を求める世論が高まっています。平成13年3月に交付に関する条例がつくられ,第6条で,交付決定は,知事と明記しています。条例施行規程第8条の県民が閲覧できる収支報告書には,領収書の添付の義務はありません。私どもは,みずから領収書を公開し,添付の義務づけを要求してきました。政務調査費を交付している県内の議会では,すべて義務づけを決めているところです。  ところで,目的外使用の返還を知事に求める住民訴訟が昨年4月にありました。そこで,監査委員事務局長にお尋ねをいたします。  政務調査費は,監査の対象になっているのでしょうか。この住民監査請求は,請求の10日後に却下の決定が下されましたが,その理由についてお答えをいただきたいと思います。 61 ◯押野監査委員事務局長 お答え申し上げます。  政務調査費について,まず,交付金の対象になるのかと,交付金の政務調査費は,具体的には交付金の監査ができるのかという趣旨の御質問,それから,どのような理由で却下をしたのかという2つの御質問でございます。  まず,監査ができるのかという点でございます。制度的な面から申し上げますと,地方自治法第199条の規定に基づきまして,監査委員は地方公共団体の財務に関する事務の執行及び地方公営企業の経営に係る事務の管理が適正に執行されているか等について検証するため,定期的に監査を行うこととされております。  このため,毎年約390余に及ぶすべての本庁各課,出先機関を対象といたしまして,定期監査を実施していることから,政務調査費を交付している議会事務局への定期監査の中で見ることは可能でございます。  ただ,実態面で申し上げますと,現実の定期監査におきましては,対象機関が先ほど申し上げましたように,極めて多いというようなことから,限られた時間の中で効率的に監査を行う必要があるために,対象機関の事務事業についてすべてを検証することは不可能でございます。  そのために,テーマを設定したり,項目を抽出して監査を行っておりますので,今までに議会事務局への定期監査において,政務調査費について監査した例はございません。  一方,地方自治法第199条第7項の規定がございまして,これは補助金,交付金等の財政的援助を与えているものについて必要に応じ監査を行うことができるというふうな規定ができております。  議会における会派がこの規定の対象となるかについては,現在のところ明確な法解釈がございませんで,このようなことから,すべての都道府県におきまして,会派を対象として監査を実施している例は全くない状況にございます。  このほか,先ほどの質問とも関連いたしますけれども,政務調査費に関しまして,住民監査請求が出された場合,知事や県の職員の違法,不当を証拠を示して具体的に指摘し,加えて,請求人が県民であること,1年以内の請求であること,県の損害が具体的に指摘してあるなどの条件を踏まえていれば,監査の対象となり得る場合も考えられます。  それから,次の御質問でございます。政務調査費は,どのように却下されたのかという御質問でございます。  平成18年4月に請求のありました政務調査費に関する住民監査請求についてでございますけれども,この請求におきましては,政務調査費の交付先であります会派から議長あてに提出されております平成16年度の収支報告書から,特定の経費に着目して計算してみると,1人当たりの経費が過大であって,それが目的外に使われている可能性が高いという推測をもとに,会派に対して知事が返還請求を行うべきであるにもかかわらず,請求を行っていないのは違法,不当であると,そういうふうに主張するものでございました。  住民監査請求として,成立いたしますには,先ほど申しました具体的な証拠を示すなど一定の法定要件を満たすことが必要でございまして,それが満たされていれば監査対象というふうになりますけれども,満たされていない場合は,監査対象とは見なさず,却下ということになるわけでございます。  今回の場合,請求人から目的外に使っていることを証明するような具体的な証拠が提出されませんで,これは推測による計算に基づく主張としか見ることはできませんでした。  そのために,監査委員は,この主張は,憶測または疑念に基づく見解にすぎないものであって,現実に違法,不当な財務会計上の怠る事実が知事にあることを客観的,具体的に摘示したものとは認められないと,そういうふうに判断いたしまして,監査対象とはしないで,却下ということになったものでございます。 62 ◯大内委員 監査委員自身も証拠書類がないために監査ができなかったということにもつながります。  ところで,この監査の却下の決定は,監査委員は4人でしたが,1人の委員で行われていますが,このことについて伺います。 63 ◯押野監査委員事務局長 この却下の判断を行うに当たっての監査体制,要するに1人の監査委員で行ったということについての御質問でございます。お答えいたします。  本県の監査委員は,全国のほとんどの都道府県と同じように,県議会議員から選出されました委員2人と,それから識見を有する人から選出された委員2人の合計4人となっております。この住民監査請求の,先ほど申しました要件審査の判断をした際には,地方自治法第199条の2の規定に基づきまして,監査委員4人のうち,議会選出の2人の監査委員が政務調査費の交付を受けた議員会の構成員として直接利害関係にあるものであると,また,識見者から選出されました1人の監査委員がその前年度におきまして議会事務局長として政務調査費の支出に関して職務権限を有していたこと,そういうことから,あわせまして3人の監査委員が除斥,これは除かれるという意味でございます。除斥されまして,残った識見者の監査委員1名で判断をすることになったわけでございます。  1人の監査委員で判断をしたことにつきましては,監査委員に対しましては,判断のために必要な事案の調査結果に関する情報,それから法令解釈,判例に関する情報等,すべて我々監査委員事務局から報告をされまして,それをもとに判断をされることになるわけでございますので,1人になることによって適切な判断ができなくなるというわけではないものと,そのように考えております。  このように,3人が除斥されるということは極めてまれなケースでございまして。 64 ◯大内委員 もういいです。    〔「仕切る権利はないよ,質問の者に。委員長の越権行為だ」と呼ぶ者あり〕 65 ◯大内委員 まとめてください。 66 ◯押野監査委員事務局長 それでは,続けさせていただきます。 67 ◯田山委員長 簡潔に。 68 ◯押野監査委員事務局長 このように3人が除斥になることは極めてまれなケースでございます。記録が残されている中では唯一のケースでございます。判断する監査委員が除斥によって減ることは,ある程度制度上避けがたいもので,やむを得ないものというふうに考えてございます。 69 ◯大内委員 これは,地方自治法242条では,住民監査請求の決定については,監査委員の合議によると明記しています。合議です。1人ではできないのです。ですから,法律的に不適切と私は考えます。  そこで,知事に伺いますが,茨城県の監査委員の構成に問題があるのです。4人のうち2人は議員,1人は前県議会事務局長,1人は学識経験者,つまり,県議会関係者が4人のうち3人を占めているということです。長野県では,県議は1人となりました。今度の議会でも,また県議会事務局長の選任の案が出ておりますが,私は,監査委員の独立性という観点から,執行部と癒着することを防ぐためにも,選出についての見直しを求めるものでございます。
     このことは,見直しを求めるという要求をして,最後に,政治倫理について,知事にお尋ねをいたします。  まず,パネルを用意しました。これは,ひたちなか地区の貸し付けの現状です。ジョイフル本田が3.5ヘクタール,土地開発公社所有のところから借りています。3.5ヘクタールと6.5ヘクタールはひたちなか都市開発所有です。そして,11ヘクタールは,土地開発公社所有からひたちなか都市開発がジョイフルカンパニーに貸し付けている。ひたちなか地区は,貸し付けている企業は,ジョイフル本田,ジョイフルカンパニー,2つの企業に集中しています。知事は,1期目から,この2つの企業からほとんど毎年,政治資金の提供を受けてきたのではないでしょうか。この事実関係についてお答えください。 70 ◯橋本知事 ジョイフル本田,ジョイフルカンパニーからは毎年パーティー券の購入という形で御協力をいただいております。 71 ◯大内委員 知事の資金管理団体の収支報告書によりますと,平成8年から平成11年の間に,この2社から400万円の寄附を受けています。平成12年には政治団体への寄附が禁止になりました。その後,平成14年からは毎年200万円,この2社からパーティー券の形で資金提供を受け,平成17年まで800万円に上っています。合わせて1,200万円です。知事は,土地開発公社の理事長を平成5年から平成14年まで務めていました。その期間も資金提供を受けています。平成15年には,ひたちなか地区内の商業・業務用地の事業者を公募しましたが,ここですね,しましたけれども,事業者に選定されたのがジョイフルカンパニーでした。知事の資金管理団体のこの4年間の収入は,3億800万円に上りますが,その7割以上がパーティー券による収入です。知事の政治倫理が問われています。パーティー券の形で企業から政治献金を集めることはやめるべきではないでしょうか。とりわけ,契約関係にある企業からのこのような形での資金を受けることは許されないと思いますが,見解を求めます。 72 ◯橋本知事 政治資金につきましては,平成7年の法改正によってさまざまな改正がなされたところでございまして,私どもも,それに基づきまして適切な政治倫理に基づきます寄附,あるいはパーティー券の購入などをいただいてきたところでございまして,政治資金パーティーをやめろということでございますが,私も政治家でございますので,事務所を維持しておりますし,人件費,あるいは事務所の借り上げ料,その他必要な経費があるわけでございます。  それと,今大変多額に上る形でのお話がございましたが,それは今までにまだ2回しかやってない大きなパーティーが一つ入っていましたので,それで大きな金額になっておりますが,普通のペースでいきますと,そんなに大きな金額にはなっておりませんので,そこも御理解をいただきたいと思います。 73 ◯大内委員 私がわざわざパネルを用意したのは,これは県の土地開発公社所有と,土地開発公社がひたちなか都市開発に貸している,その土地がほとんどジョイフル本田とジョイフルカンパニーに貸し付けられている。つまり,知事は,家主ということになるわけですね。契約関係を持つ企業から献金を受け取ることは道義上許されないというのが私の趣旨でございます。全国では,談合や収賄など知事の不祥事が相次ぐ中で,改めて知事の金銭感覚が問われております。  パーティー券での資金集めは,形を変えた企業からの寄附であり,企業や団体から受け入れるべきではありません。まして,県との契約関係にある企業からは許されないことです。それが清潔な政治と県民に信頼される県政のあり方ではないでしょうか。私は,このことを強く求めて,質問を終わります。 74 ◯橋本知事 今,委員からいろいろな御指摘がございましたが,私どもは,そういう問題であるからこそきちんとすべてがわかるような形で表に出しているわけでもございますし,今お示しございましたジョイフル本田,ニューポートひたちなか店,ここなどは最初どうやって企業を持ってくるかということについて大変苦労したところでございます。それをやっとこいろいろそういう支援者であるからこそ,ここへ来ていただけたわけでございまして,さらにそういった選定に当たりましては,公正を期する観点から,しっかりとした委員会を設けて,そこで地元の商工会関係の方なども入っていただいて決定しているところでございますので,委員から言われるような形での疑惑というものは何も出てこないと考えております。 75 ◯田山委員長 次の質疑に移る前に報告いたします。  井手委員から質疑に当たって,パネルを使用したい旨の申し出があり,特定の団体や個人のプライバシーにかかわるものでないことから,委員長においてこれを許可いたしました。ここで,パネルの写しを配付させます。                  〔パネル写し配付〕 76 ◯田山委員長 井手委員。 77 ◯井手委員 公明党の井手義弘でございます。  とげとげしい議論が続きましたので,私は,提案型の質問を用意しております。  未来に対して希望が持てるような質疑を求めるものでございます。  また,時間によりましては,質問の内容を割愛させていただく場合もあると存じますけれども,御了解をいただきたいと思います。  まず,地球温暖化対策についてお伺いをいたします。  ここに来て,冬の戻りのような肌寒い気候が続いておりますけれども,ことしの冬は近年にない暖冬となりました。日立市では,一度も雪が降らないまま,桜の花が開花しようとしております。日立市天気相談所が1953年以降観測しているデータでは,1月の真冬日が5日間余りで,過去最低となったということであります。真冬日というのは,最低気温が氷点下になった日のことを言うそうでございまして,平均は13日以上あるということでございますから,いかにことしの冬が暖かかったかというふうに思っております。  さて,こうした中,この2月には地球規模の気候変動を調査している国連の機関,気象変動に関する政府間パネル,IPCCが第4次報告書を公表いたしました。それによると,人間の活動が地球の温暖化をもたらしている確率は90%以上に上るとして,地球温暖化がほぼ人間の生活,経済活動によると断定をしております。そして,21世紀末には,地球の平均気温が1.1度から6.4度上昇するとし,また,それに伴う海面の上昇も18センチメートルから59センチメートルに上ると予測をしております。  報告書の結論が正しければ,人類がこの難局を突破するためには,持続発展型の社会の実現に取り組むほかはありません。茨城出身の環境学者山本良一東京大学生産技術研究所教授らは,その編著,「気候変動+2度」などで,温暖化が加速してラナウエイ・グローバル・ワーニング,いわゆる地球温暖化の暴走,人類が温暖化の加速を抑制できなくなる状態が起こると,その可能性について指摘をしているところでございます。  このラナウエイ・グローバル・ワーニングが起こる時点をポイント・オブ・ノーリターンと表現しております。1.5度C突破のポイント・オブ・ノーリターンが2016年ごろ,そしてプラス2度のポイント・オブ・ノーリターンは2028年ごろとされております。近い将来,温暖化した気候が来ることはほぼ確かな現実となっております。  今後は,こうした現実を受け入れて,それにどのように備えるかという点が中心になってくると思います。  国や地方自治体も,その政策や予算の使い方に大きな見直しが必要となってまいります。翻って本県では,平成6年5月に茨城県地球温暖化防止行動計画を策定しました。昨年2月には,2010年度における温室効果ガスの排出目標を基準年比マイナス4.6%として産業,運輸,民生などの分野ごとの目標設定や事業者,県民に期待される取り組みなどを盛り込んだ改定を行っております。  前回の中間集計時,2002年の排出量は,1992年の基準排出量より2.3%減少するということになりました。全国的に見ても,この削減率は大変立派な削減率で注目を浴びたところであります。  茨城県の温室効果ガスの排出量を具体的に見てみますと,産業部門の排出量が県全体の約7割近くを占めているという特徴があります。ことし,特に,鹿島地域の大規模事業所がその大きな割合を示しているといわれております。ことし4月には,次回の集計結果が公表されるとうかがっております。景気回復や好調や中国,アジアへの輸出を背景とした事業活動の活発化により,本県の温室効果ガス排出が大きく増大する可能性もございます。このような特徴から,私は,本県の地球温暖化対策のポイントは,1つに,大規模事業者との連携,2つに,県民運動による啓発活動,3つに,森林の涵養による二酸化炭素吸収源対策,この3点が非常に重要になると考えております。  そこで,橋本知事に,地球温暖化対策として,県が担うべき役割についてお伺いをいたします。 78 ◯田山委員長 井手委員の質疑に対する答弁を求めます。  橋本知事。 79 ◯橋本知事 地球温暖化対策において,県がどういった役割を担うべきかということについて御質問いただきました。  委員御指摘のとおり,私も大規模事業所等の排出抑制,県民運動による啓発,森林整備による吸収源対策の3点は,極めて重要であると考えております。  特に,先ほど御指摘がございましたように,本県では,産業部門が大きなウエートを占めておるところでございますので,大規模事業所等の排出抑制については,力を入れていかなければいけないと考えております。  これまで,経営者協会やトラック協会等の事業者団体や鹿島コンビナート,日立地区の事業所などに温暖化対策の要請を行ってまいりましたが,新たに省エネや新エネルギーなどの先進的な事例集を作成し,その導入を促進してまいりますとともに,各事業所において,自主的に削減目標を定め,取り組みを強化していただくように求めてまいりたいと思います。  そしてまた,県民への啓発でございますが,大好きいばらき県民会議などを通じまして,14万6,000部のエコチェックシートを配布したところでございまして,こういった中からエコライフ県民運動という形で環境への理解を深めていきたいと思っております。  温暖化の原因が我々の日常生活でのエネルギー使用にあるわけでございまして,次の世代に与える影響の深刻さを認識し,省エネなどの実践行動に一層取り組んでいただきますため,新たに,先ほどのエコチェックシートに加えて,温暖化防止パネル巡回展や高校3年生を対象とするエコライフ講座などを実施してまいりたいと考えております。  また,森林の整備につきましては,森林をはぐくみ,木材を利用する緑の循環システムの確立を目指し,従来の間伐に加えて,本年度は緊急に間伐が必要な森林面積を調査しているところでございますが,来年度は,さらに森林の適正な整備保全に取り組むため,その調査結果を踏まえまして,効率的な間伐を進めるモデル事業を実施し,本格的な間伐実施体制を確立してまいりたいと考えております。 80 ◯井手委員 県や市町村は,地球温暖化対策推進法により,地球温暖化対策地域推進計画の策定に努力することとされております。しかし,県内の市町村で具体的なこの計画を策定しているのは,守谷市だけと聞いております。県民生活に一番身近な自治体である市町村にも具体的な地球温暖化に関する行動計画の策定と実行を知事は呼びかけるべきだと思いますが,御所見をお伺いいたします。 81 ◯橋本知事 この地域推進計画というもの,住民の行動を促進する上で極めて大切なことと考えております。  ただ,しかしながら,個々の市町村ごとに温室効果ガスの排出量を推計することは大変難しいということもございます。そういったことから,策定は全国的に見ましても,60市町村にとどまっております。  このため,国では,現在,地域推進計画策定のためのガイドラインを市町村向けに改定をしておるところでございます。間もなく示されるとのことでございますので,私どもといたしましても,これを受けて,市町村担当課との会議などを通じまして,計画策定を強力に働きかけてまいりたいと考えております。 82 ◯井手委員 さて,今議会の代表質問等におきましては,各会派から環境問題並びに新たな環境保全のための税制に対する質問がなされております。  知事は,本県の自然環境の現状とその保全整備の必要性,新たな負担を求めざるを得ない背景,理由などを広く県民に説明し,議論を広めたいとの趣旨の答弁を行っているところでございます。  地球温暖化防止という観点からも,森林を守ることは非常に重要であり,新たな環境税を検討する視点として,地球温暖化問題を取り入れる必要があるのではないかと思いますけれども,知事の御所見をお伺いをいたします。 83 ◯橋本知事 新税につきましては,森林の荒廃の進行,霞ヶ浦などの水質浄化などが目に見える改善に至らない,こういった現状を踏まえまして,今,県民の皆さんにお願いできないかということで検討しているところでございますけれども,委員御指摘の地球温暖化問題への対応ということにつきましても,十分に県民の皆さんに御理解をいただいてまいりたいと思っております。  御承知のとおり,国において,我が国の温室効果ガスの6%を削減することとしておりますが,そのうち3.9%は森林の二酸化炭素吸収量により削減することとなっておるところでございます。こういったことにつきましては,十分に県民の皆さんに理解をいただくことは大事でありますし,また,本県では,今後,中国木材の立地やつくばエクスプレス沿線における新たなまちづくりなどにより,県産材需要の増加が見込まれており,この機をとらえて森林を荒廃から守る施策を積極的に進めていくべきではないかと考えておるところでございます。  新たな税制につきましては,現在,有識者から成る自主税財源充実研究会などにおいて検討を進めているところでありますが,研究会におきましても,地球温暖化対策の推進にも寄与することを目的として,森林の適正な整備や森林をはぐくみ,木材を利用する緑の循環システムの確立を推進すべきであるといった議論が出ているところであります。  県としましても,新たな税制は当然地球温暖化問題にも資していかなければならないものと考えておりますので,県民の皆さんから幅広く理解を得られるような税の使途,あり方について,さらに検討を進めてまいりたいと考えております。 84 ◯井手委員 一部マスコミでは,この新税制を森林環境税と呼んでおります。本県の目指す新しい環境税は,ただいまも御説明をいただきましたように,霞ヶ浦保全にも大きな役割があります。また,地球温暖化対策にとっても,ある程度必要な税制かもしれません。そういった意味で,より広い税制での議論が必要なわけでございます。名前がひとり歩きすることは県民への誤解を与える懸念もございます。  つきましては,この新税制につきましては,その名称も含めて,より積極的な情報提供,またPRに努めていただきたいと要望させていただきたいと思います。  知事,御答弁ありがとうございます。  続きまして,生活環境部長に,カーボンオフセットの考えにもとづく県民運動の展開について御提案をさせていただきます。  カーボンオフセットとは,日常生活による二酸化炭素の排出を相殺するために森林や自然エネルギーの利用を促進しようという考え方でございます。  私たちの身近な生活に当てはめてみますと,委員長に御許可をいただき配付をいただきました予算特別委員会資料のナンバー1のような事例が考えられます。例えば,私たちの家庭で,1日4時間テレビをつけていると仮定をいたしますと,年間で75キログラムの二酸化炭素を排出する計算になるそうでございます。1日4時間半,1年間で75キログラム。1日4時間半は少し長過ぎるかもしれませんけれども,そういう仮定でございます。  この量に匹敵する二酸化炭素を吸収するためには,ヒノキを3本植林する必要がある。そのために必要な費用として,毎年1,000円を寄附しようという考え方がカーボンオフセットの考え方でございます。そして,この1,000円の寄附に対しましては,しっかりとした,それを認める,例えばホームページで寄附をした方の名前を公表するとか,そういった一つの二酸化炭素の吸収,それによって温暖化が防止できる,それによってあなたの努力がこういうふうに報われますという明確な一つの筋道を立てて,地球環境を守ろうという仕組みがカーボンオフセットだというふうに考えられております。  ことし2月には,岐阜県が岐阜県地球温暖化対策地域協議会及び岐阜県循環型社会形成推進協議会を設置し,国内の自治体としては初めて,このカーボンオフセットの取り組みをスタートさせております。  岐阜県の事業は,県民や事業者に二酸化炭素削減に関する具体的な行動として,赤マツ,キリ,ケヤキなどの大気環境木の植栽のための寄附金を募集します。岐阜県地球温暖化防止活動推進センターがその寄附金で大気環境木を購入し,それらの提供を受けて,県が小中学校等での大気環境木の説明及び植栽を実施します。  500円以上の寄附をした個人,団体は,ホームページで公表し,積極的な参加を動機づけます。こうした取り組み,茨城県においても,地球温暖化防止への意識を高め,具体的に植林や森林の保全に役立てるために,このカーボンオフセットの取り組みを具体化すべきだと提案をいたしますが,生活環境部長の御所見をお伺いいたします。 85 ◯替地生活環境部長 御提案のカーボンオフセットの考え方に基づきます県民運動の展開についてお答えをいたします。  井手委員のホームページにつきましては,私ども生活環境部の職員,興味深く拝見しておりまして,大変すばらしい試みだというふうに感じているところでございます。  このカーボオフセットにつきましては,炭素相殺ということで,自分が排出した分のCO2を自分で減らすという考え方をわかりやすく示しており,温暖化防止の危機意識を高め,個人レベルでの取り組みに大きく動機づけを行う上ですぐれており,県民運動としては大変ふさわしいのかなと考えてございます。  二酸化炭素の吸収源となります森林の整備のための県民等の参加につきましては,企業,NPO,あるいは市民団体などによります緑化団体への寄附,あるいは砂漠や亜熱帯雨林等への森づくりなどさまざまな活動が行われているところでございます。  また,地球温暖化についての県民等への普及啓発は,県のほか,地球温暖化防止活動推進センター,これは,現在,社団法人茨城県公害防止協会になっていただいているところでございますが,これまでも,このセンターにおきまして,省エネキャンペーンや環境フォーラムの開催などを行ってきたところでございます。  したがいまして,県といたしましては,緑化団体などと協調し,地球温暖化活動推進センターなどとともに,今後検討してまいりたいと考えております。 86 ◯井手委員 生活環境部長,御答弁ありがとうございました。  次に,地球温暖化の影響とその対応策について,農林水産部長にお伺いをいたします。  茨城県農業総合センター農業研究所は,水戸地方気象台の統計資料をもとに,本県における気象の長期変化について調査研究を行っています。  それによると,本県における年平均気温は,過去107年間で1.4度C上昇し,温暖化の進行が認められております。また,降水量は,約200ミリグラム,15%でございますけれども,減少し,日照時間は約5%長くなっております。当然,こうした気候変動は,本県の農林水産業にも大きな影響を与えると考えられます。例えば,リンゴ栽培農家からは色づきが悪くなってきたという声が大きく聞こえます。独立行政法人農業食品産業技術総合研究機構果樹研究所の研究結果によりますと,リンゴ栽培に適する地域は,2060年代には,東北地方の平野部のほぼ全域が対象外となる。当然,県内での生産が難しくなると予測をしております。  また,米に関して申し上げますと,乳白米の割合が多くなっているという指摘もございます。また,サツマイモの害虫であるナカジロシタバという昆虫が本県でも越冬が可能となり,冬を越すことが可能となり,春先から被害が発生するという事例も出ていると聞いております。  本県の特産品である干し芋も,ことしは暖かい気温が災いして生産に悪影響が出ているとの新聞報道もございます。現実に,温暖化した気候が来ることはほぼ確実な状況となってまいりました。今後は,こうした現実を受け入れて,それにどのように備えるかという点が対応の中心になってくると考えます。農業分野でも,地球温暖化に対するしっかりとした調査研究や指導の充実が必要だと思いますが,農林水産部長の御所見をお伺いいたします。 87 ◯内畠農林水産部長 地球温暖化による農業への影響につきましては,つくばの独立行政法人の調査結果によりますと,多くの県が水稲の乳白米の発生増加,果樹類の発芽や開花が早まることによる晩霜被害の増加,それから野菜類などの成育障害や病害虫の発生増加などが起きているというふうに回答しておりまして,本県でも同様な現象があらわれてきております。  県といたしましては,こうした温暖化によると考えられる農作物へのさまざまな影響に対し,今後予想されるものも含め,対応策等を研究し,適切に指導していくことは重要であるというふうに考えてございます。  このため,これまで稲の乳白米発生を軽減するための適正な田植え時期の設定や糖熟期の寒暖かんがい技術を開発し,指導を行っているほか,梨等の晩霜対策として防霜ファンや多目的防災網の設置などの指導を行ってきたところでございます。  今後につきましては,平成18年度につくばの独立行政法人におきまして,温暖化に対応した技術開発を行う研究チームが設置されておりまして,温暖化が関係しているとされる現象の発生メカニズムを解明し,温暖化対策技術を開発するという研究を強化しておりますので,これらの機関とも連携いたしまして,野菜類の成育障害対策技術の開発,増加する害虫の防除対策,温暖化に対応した新しい品目作型の導入などの温暖化対策技術の開発について研究を強化してまいりたいと考えてございます。  また,開発した対策技術の普及につきましても,研究員と普及指導員が一体となって迅速かつ適切に指導していきたいと考えてございます。 88 ◯井手委員 バイオマスの活用について御質問をいたします。  国が進めておりますバイオマスタウン構想というのがございます。バイオマスタウンとは,域内において広く地域の関係者の連携のもと,バイオマスの発生から利用までが効率的なプロセスで結ばれた総合的利活用システムが構築され,安定的かつ適正なバイオマス利活用が行われているか,あるいは今後行われることを見込まれる地域をバイオマスタウンというふうに呼んでおります。  国は,平成22年までに全国300市町村でこのバイオマスタウンを拡大する計画です。しかし,残念ながら,県内には現在のところ,このバイオマスタウンに名乗りを上げた市町村が1カ所もございません。市町村への働きかけを今後どのように行うのか,農林水産部長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 89 ◯内畠農林水産部長 バイオマスタウン構想は,市町村が中心となって,地域のバイオマス利活用の全体的なプランを作成するというものでございますので,このため,県といたしましては,これまで,県内全市町村を対象といたしまして,バイオマスの活用事例などを紹介するパンフレットの配布,あるいはバイオマスの最新の動向に関するメール情報の配信,市町村におけるバイオマス利用のエネルギーを促進するための新エネルギーセミナーなどの開催によりまして,バイオマスタウンの普及啓発に努めてきたところでございます。  その結果といたしまして,現在,2つの市と村で,ナタネなどの油料作物の生産や廃食油を原料とするバイオディーゼル燃料の製造などを柱とするバイオマスタウン構想の策定が検討されているというところでございます。  バイオマスタウンとなりますには,廃棄物系のバイオマスの90%以上,あるいは利用系バイオマスの40%以上の利活用に向けて目標を定めるといった基準を満たす必要がありますけれども,バイオマスタウンでもあることによりまして,循環型社会の形成に積極的な取り組みを行う地域としての認知度も高まりますことから,引き続き先進事例の情報,あるいは支援対策,利活用のための技術に係る情報等の積極的な取り組みに努めまして,県内でより多くの市町村がバイオマスタウンに取り組めるように働きかけていきたいと思っております。 90 ◯井手委員 部長ありがとうございました。  県北振興策につきまして,企画部長にお伺いをいたします。  県では,今年度からいばらきさとやま生活を打ち出し,各種事業に取り組んでいるところでございます。これまでの取り組み内容と実績はどのようなものであったか,お尋ねをいたします。  また,その一環としてグリーンふるさと振興機構が平成18年に大子町にお試し田舎暮らし住居として小林邸をセーブいたしました。これまで,3組の方が入居し,既にことしの9月まで入居者が決定していると聞き及んでおります。私も1月末に小林邸を実際に訪問し,京都からおいでになっているお試し入居者から実際に興味深いお話を伺ってまいりました。  県北地域は,地域的に広範囲で山だけではなく,海もあります。また,地域の人々に広くこの取り組みを知ってもらうためにも,もう少しこのお試し住居事業の件数の拡大を図ってはどうかと提案をさせていただきます。企画部長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 91 ◯麦島企画部長 最初に,今年度から始めてございます,いばらきさとやま生活の取り組み内容,実績という点でございます。  今年度から,首都圏の団塊の世代を主なターゲットといたしまして,県北地域を舞台としました新しいライフスタイルをいばらきさとやま生活と銘打ちまして情報発信を行っているという状況でございます。  具体的には,一つは,団塊世代向けの雑誌に,県北地域で有機農業とか陶芸とかをされておられます二地域居住の実践者の方々,また,県北地域の袋田の滝や常陸秋そばなどの資源というものを紹介をいたしまして,加えまして,イベント等さまざまな機会を通じまして,情報発信に努めてきたという状況でございます。  また,いばらきさとやま生活のホームページを開設いたしました。県北地域を中心に,さとやまでのスローライフを提案いたしますポータルサイトといたしまして,住み,働き,楽しむための生活情報のほか,いばらきさとやま生活ブログで体験モニターや地元ブログライターによります口コミ情報の発信をしてございます。昨年11月の開設以来,1万1,000件を超えるアクセスがあるという状況でございます。  さらに御指摘のグリーンふるさと振興機構におきましては,お試し田舎暮らし住居整備をいたしますとともに,空き家情報の提供など交流二地域居住,定住に関します具体的な相談を行います窓口を昨年10月に開設をいたしました。これまでに,主に空き家情報の紹介が多いわけでございますが,約80件の御相談を受けているという状況でございます。  このような中で,お試し住居の件数の拡大という点がございました。今年度におきましては,大子町におきまして,昨年12月から体験モニターの方が入居されているという状況でございます。これまで,3家族の方々,それぞれ1カ月間御入居をいただいておりまして,移住や交流希望者の方々が田舎暮らしを経験されるに当たっての支援のあり方等について検証を行ってまいったところでございますが,やはり,地元での認知度とか受け入れ体制に課題があるというふうに認識をしてございます。  また,御指摘のようにお試し住居1件しかないということで,新たな要望にこたえることが難しいという側面もありますし,また,これも御指摘がございましたが,県北地域,臨海部から山間部まで地理的に非常に広い,異なった地域がいろいろあるわけでございます。このようなことから,新年度では,でき得れば,新たなお試し住居を追加したい。できれば,平成19年度は5件ぐらいまでいかないかなということで取り組みを進めてまいりたいというふうに思ってございます。 92 ◯井手委員 続きまして,KDDIのパラボラアンテナの利活用について御質問をさせていただきます。  KDDI茨城通信衛星センターについては,今月末をもって閉局することが決定をし,昨3月16日には同施設の閉局式が開催されたところであります。閉局後のパラボラアンテナを含むこのセンターの跡地の有効活用につきましては,昨年,第3回の定例議会の一般質問においてもお尋ねをいたしましたところですけれども,その後の検討や交渉の進捗状況を含め,今後の活用について,企画部長にお伺いをいたします。 93 ◯麦島企画部長 KDDIの茨城衛星通信センターでございますが,委員から御指摘を受けまして,昨年10月以降,地元2市,KDDI,また電波望遠鏡としての利活用を考えてございます茨城大学などとの協議の場を設けまして,検討を進めてきているという状況てございます。  現在,土地及び建物等の譲渡先など大枠の方向につきましては,基本合意書というものの締結に向けました関係者の協議をしているという状況でございまして,この譲渡関係の基本合意書につきましては,近日中に合意をするというような段取りになってございますが,なお,その譲渡関係の細目につきましては,平成20年3月を期限に関係者間で引き続き協議を進めるという形にいたしたいというふうに思ってございます。  また,跡地の利活用のあり方という点でございますが,この点も地元の2市とともに,茨城大学関係者や地元の住民団体の方々などによります検討委員会を設置いたしまして,電波望遠鏡としての活用を考えてございます国立天文台及び茨城大学の利用計画と連携を図りながら,こちらについては,ことしじゅうを目途に,歴史あるパラボラアンテナとか,また300本の桜並木等を生かしました利活用方策を検討してまいりたいと考えてございます。 94 ◯井手委員 一昨日,茨城衛星通信センターの佐藤センター長とお会いをいたしまして,さまざまなお話を伺ってまいりました。その中で,4月1日以降は,このKDDIの茨城衛星通信センターが完全に閉鎖をされる。そうなるためには,この春の300 本のソメイヨシノの見事な桜が咲くわけでございますけれども,このお花見に施設を開放していただけるかどうかがまだ不確定な状況になっているというお話を伺ってまいりました。  県は,日立市や高萩市,そしてKDDI等の事業所との連携を図り,地域住民が本当に楽しみにしております。この施設内での花見がことしもできますように御努力を要望させていただきたいと思います。  3点目といたしまして,サーフツーリズムによる地域の活性化と海岸保全についてお伺いをいたします。
     海岸資源を活用し,マリンレジャー,特にサーフィンを活用した交流人口の増加による地域振興策をサーフツーリズムとして提案をさせていただきたいと思います。  私どもが住む日立市の河原子海岸北浜一帯は,サーフィンが盛んな場所でありまして,サーファーの間では隠れた人気スポットとなっております。  参考のために,これもパネルを用意させていただきました。  この6月に,この河原子北浜に日立市が整備を行っております臨海公園が完成することになっております。下の図が公園の見取り図でございます。この公園は,市街地に近いところもありまして,延長1.5キロメートルにも及ぶすばらしいサーフスポットが整備されることになります。福島県では,このサーフィンのプロ選手による世界大会誘致に3年間で600万円の補助を行い,南相馬市でサーフツーリズムの振興を支援をいたしました。こうした努力により,一見サーフィンには縁遠いと思われる福島県の北部の海岸地域で年間7万人ものサーファーの入り込みが確認をされております。  一方,国では,平成19年度から各種基盤整備,ハード事業と地域の自由な意思に基づく地域づくり,ソフト事業の両方を対象とする地域自立活性化交付金制度を創設すると伺っております。  茨城県でも,このような制度を生かした海岸資源を活用し,サーフツーリズムによる地域活性化と海岸保全に取り組んではどうかと提案をいたします。  企画部長の御所見をお伺いするところでございます。 95 ◯麦島企画部長 県北地域,特に臨海地域でございますが,変化に富んだ海岸線が魅力的であると思ってございます。海岸を含みました海洋資源というものを活用していくことは非常に重要かなと思ってございます。  ブルーツーリズムということで施策をやっているわけでございますが,あの内容としましては,いろいろ御指摘のようにエコ関係とか健康づくり関係,技術関係,いろいろあろうかと思います。その中でサーフツーリズムという御提案でございます。県北地域の誘客というのを促進するためには,やはり若者から高齢者の方々に至るまで幅広い世代の方々のニーズに応じた体験メニューということをできる得る限り準備しておくことということが大事かなと思ってございまして,そのような観点から見ますと,サーフィンなどのマリンレジャーというのは,若者というものに対して非常に大きな魅力があるのかなというふうに思ってございます。  このような観点から,サーフツーリズムの推進は極めて有意義かなというふうに思ってございます。地元日立市の御意向なども十分に踏まえながら検討してまいりたいというふうに思ってございます。  なお,委員からサーフツーリズムの推進に当たりまして,海岸環境の保全等々の観点から新しい交付金というものの活用という御提案もございました。新しい交付金につきましては,茨城県にとりまして内容を有利に使えるかどうかというような点も十分に関係部局と検討いたしまして,その活用につきまして十分に調査をしてまいりたいと思ってございます。 96 ◯井手委員 企画部長,ありがとうございました。  行財政改革の推進につきまして,具体的な課題を3点御質問をさせていただきます。  時間がなくなってまいりましたので,病院事業管理者への友部病院の資金繰りの状況等についてお伺いする予定でございましたが,これは割愛をさせていただきます。病院事業の,特に友部病院の資金繰りに関する一般会計の繰り入れに関しての総務部長への質問に入らせていただきたいと思います。  友部病院は,当初予算によりますと,ことし1月に約1,900万円,2月に7,700万円,3月には1億5,300万円の,いわゆる資金ショートを起こす見込みとなっておりました。この危機的な状況を回避するために,友部病院は,例えば,こども病院からの資金の一時借入を行っております。1月に約7,000万円,2月に1億円,3月に4,000万円,2億1,000万円の,いわゆる病院事業間での借り入れで当座をしのぎました。とは言っても,3月にはやはり2億1,000万円分の返済が迫っているわけでございますので,その資金ショートを何で埋めたかと申しますと,いわゆる病院職員の退職金,これの支給を全額10分の10を県の一般会計から支出するという形で,この資金ショートを防いだわけでございます。この病院職員の退職金につきましては,その支出を従来は県の一般会計から全額を支給しておりました。しかし,この不合理を外部監査法人からの指摘を受けて,負担を3分の1とした経緯があります。資金繰りが悪化したからといって,その一部をまた一般会計から繰り出すという措置を今後繰り返すならば,それこそモラルハザードとなり,結果的に行財政改革の阻害要因とならないか,危惧をするところでございます。  今回の友部病院の繰り出しをどのように考えるか,総務部長にお伺いをしたいと思います。 97 ◯上月総務部長 井手委員の御質問にお答えいたします。  一般会計から企業会計への繰り出しの抑制につきましては,行財政改革大綱等に基づきまして,その取り組みを進めておるところであります。  今回の繰り出しにつきましては,友部病院の資金繰り状況を勘案して,経営改革に専念できる資金環境を整えるということが必要であるとの判断から,あくまで経営改革期間,これは平成21年度までの臨時的な支援策として,当面,平成18年度及び19年度において特例的に退職給与金の一般会計負担割合を従前の水準に一時戻し,改革の促進を図ろうとするものでございます。  いわば,さらなる改革を加速度的に進めていただくため,引当金不足等から生じた資金繰りの手当てに要する人手,あるいは事務をより前向きな改革に取り組むために使ってもらおうとするものでございます。  病院事業会計につきましては,本年度から地方公営企業法全適の上,病院事業管理者のもとで,専門家による運営とあり方の検討等が行われておりますほか,昨年4月には,経営合理化のため,友部病院の1病棟を閉鎖し,また,11月には医師を除く病院局職員給与の削減を実施するなど,取り組みが着実に行われてきております。  また,友部病院におきましては,本年4月には新病院長のもと,精神科救急患者の24時間,365日受け入れ体制を整備するとともに,経営合理化のため,昨年に引き続き病棟閉鎖を実施していくなど,病院改革は具体的に進められていくこととなっております。  この臨時の措置として繰り出しを受ける病院事業会計側には,友部病院の経営改革を断行し,県立病院として担うべき役割を確実に果たし,県民の信頼を得られる病院としていく責務が発生するものでございまして,今後は,この繰出金の効果,あるいは昨年6月に策定いたしました改革工程表に基づきます進捗状況を厳しく検証しながら,決してモラルハザードといった御指摘を受けないよう,私としましても,しっかりと評価をしていきたいと考えております。  今後とも,行財政改革推進のため,歳出改革としての他会計への繰り出しの見直し抑制につきましては,積極的に進めてまいる所存でございますので,どうか御理解を賜りたいと存じております。 98 ◯井手委員 時間がなくなってまいりましたので,まず,質問の内容を要望として述べさせていただき,時間がありましたら御答弁をいただきたいと思います。  まず,外部会場を使いました会議等の開催についてでございます。  県が主催する審議会や協議会を開催する場合,経費がかさむ県庁舎外の外部会場を使用しているケースが数多く見られます。その全体像を把握することは,なかなかできませんが,一例として,たった1カ所だけですけれども,公表されている数字がございます。それは,公立学校の共済施設である水戸駅南のレイクビュー水戸でございます。このホテルの年間の使用状況は,平成18年度で,約1,000万円弱,989万円に上っております。こういったこと,できるだけ庁舎内の会議室を積極的に活用するなどして経費節減を図るべきだというふうに思います。  今年度,議会も財政再建等特別委員会を設置いたしまして,執行部と一体となって議会もこの改革に取り組む所存でございます。例えば,議会が開催されていないときの議会棟の会議室の利用,そういったこともこの委員会等で積極的に検討を加えられるものと期待をしているところでございます。  養護学校のスクールバスの入札問題について触れさせていただきたいと思います。  スクールバスの委託業者の決定において,一般競争入札が導入されたことにより,児童生徒の安全や安心が脅かされているのではないかとの懸念の声が一部関係者やバス事業者から聞かれております。  しかし,行政の公平さの面から,私は一般競争入札による委託業者の決定は最も合理的な方法であり,運用に対して茨城県教育委員会並びに学校当局の適正な指導があれば何ら問題はないと考えております。  どうか,教育長におきましては,しっかりとした指導,監督をよろしくお願いをしたいと思います。  最後に,県民と県職員の健康を守る方策について要望させていただきます。  茨城県の男性の喫煙率は53.8%で,全国平均を大きく上回っております。そういった意味では,県は,県民の生命と健康を守る責務があります。知事は,率先して喫煙対策に取り組む必要があると思います。県では,新年度から県庁舎内の喫煙所を廃止し,全面禁煙にする計画と伺っております。喫煙者の権利嗜好は,庁舎の外側に2カ所の喫煙スペースが設けられるので十分に守られると思います。全国的に見ると,既に長野県や埼玉県,神奈川県など10カ所の県が庁舎内の全面禁煙を実施しております。総務部長におかれましては,全面禁煙化の原則を曲げずに,たばこ生産者や販売者団体との交渉を真摯に進めて県民の健康と命を守る行政の推進を強く望みまして,質問にかえさせていただきます。  ありがとうございました。以上でございます。 99 ◯田山委員長 暫時休憩いたします。  なお,再開時刻は,午後1時10分を予定いたします。                 午後0時6分休憩        ───────────────────────────                 午後1時10分開議 100 ◯田山委員長 休憩前に引き続き,委員会を再開し,質疑を続行いたします。  関委員。 101 ◯関委員 田山委員長から新しい議会なので予算特別委員会で何か話すようにという要請を受けたものだから,喜んで出てまいりました。  今,県報を見ましたけれども,きょうの日付で,小林議員が繰り上げ当選になりました。だから,今度の議会は,新人が10人,そして非常に新人の皆さん方も勉強が好きで,委員会の方も非常ににぎやかです。一生懸命やっておりまして,この議会は,議長さん等もそうでありますけれども,議会と執行部は並列対等だという,その見識はきちんとしておりますけれども,執行部と議会が非常に和気あいあいとやっておりまして,うまく進んでおることについて,私どもは非常に喜んでおります。  そして,この予算特別委員会は,実は,昭和42年につくったんですが,そのときに,山口武平議員が委員長でまとめました。そして,この委員会をつくった理由は,各常任委員会に分かれて審議するけれども,それがばらばらになってしまって,同じ問題でも,その委員会が異なっても討議をしない。だから,一体性を持つために調整機能を働かせるためにつくろうということになって,けんけんがくがく,いろいろなところを調査しながら予算特別委員会ができました。だから,そういう意味でつくったので,この委員会には,常任委員会の委員長さんが全員入っているのです。それから,各会派の代表も全員入っております。そして,常任委員会の委員長さんは,委員会の審議を踏まえて,問題があればここで発言するわけです。それを各会派の皆さん方も,できれば各会派でまとめてここで発言をする,そういうことで一体性を確保するということで,全議案の説明は,もう既に何回も説明がありますから,ここでしませんが,上程して最後には可決すると,こういうことでありますけれども,そんなことで非常に大事な委員会であります。  私は,予算特別委員会に出たのは30年ぶりぐらいであります。そんなことで,皆さんが本当に真剣に委員長のもとでやっているなと思って,非常に意を強くしております。  さて,そこで,きょうは,私の通告いたしましたのは,夢の持てる県政推進と財政再建と,こういうことで出したわけでありますけれども,要は,財政が困難なときでも,困難は困難として県民に対して,県政に対する期待と夢を持たせなければいけない。そのためには,どうやったらいいのか。それからまた,こういう財政を切り抜けるときには,我々もそうでございますが,執行部も県民の皆さんにもどういう覚悟をしてもらわなければいけないのか,そういうことについてしっかりとやらなければいけないなと,こういう感じを持ってきょうは出てまいりました。  だから,そのためにどうしたらいいかということを申し上げるわけでありますけれども,幸いにして,この県議会で,財政再建等調査特別委員会というものができますから,そこで内容を討議するので,そのところで具体的なことはやっていただくということにして,私は,雑駁でありますけれども,私の考えの一部を申し上げて,そして皆さん方に御判断をいただくということでありますから,答弁は求めるけれども,あえて具体的な答弁をやっていただく必要はありません。  そして,総務部長と教育長にお願いしてありますけれども,知事も入っておりますが,知事は年じゅう話しておりまして,知事の考え方もよく知っておりますし,彼が年じゅう演説することを聞いておりますから,知事にはあえてきょうは質問をしないということにしますが,御発言があれば,最後にひとつまとめていただくと,こういうことにいたします。  さて,きょうは,私がちょうど県議会議員になってから半世紀,その前に,私は,昭和28年に県庁の秘書広聴課にいて,それから県議会議員になりましたから,かれこれ50数年みんなと一緒にやってきた。そのころからの背景,わかっている者がほとんどいなくなってしまいました。そこで,私は,この前の総務企画委員会のときに,ある委員が茨城県は,中央の大規模事業を押しつけられてやってきたからこんなふうになったんだというふうな意味のことを言われたので,僕はちょっと立って話したことがあります。そのことを考えながら,きょうは,今まで茨城県政はどうやってきたかということを数分しゃべらせてもらおうかなと思います。  それは,最初のうちは,官選知事の友末先生でありました。友末さんは,内務官僚の最たるもので,それは能力から言ったら,あるいは力から言ったら,そのころの吉田総理に匹敵するぐらいだなと私は思っておりましたけれども,非常に政治力があって,指導力があった。だから,茨城県は,そのころは日本でのきっての貧乏県であったけれども,彼が一生懸命やって,隣の千葉県は赤字で財政再建団体になったんだけれども,茨城県は辛うじてならなかった。そして茨城県を豊かにするために一生懸命やって,そのころの市町村長も全員一致して知事を推したという形で茨城県政は動き始めた。一番最初は,平和茨城と称して茨城県を平和にするために推してきた。その次は福祉茨城になったんですけれども,その中でも,発展基盤をやることについては非常に熱心だった。例えば,当時の運輸省は,茨城県の海岸は180キロメートルあるけれども,漂砂で埋まってしまうから港はできないといっていたのを友末さんが乗り込んで日立港をつくった。そういうこともありましたし,大きい仕事でも,やめたのもありますけれども,非常に熱心にやられた。  もう一つは,各県と争って,これも誘致したんだけれども,原子力施設を昭和30年に誘致した。このときには,横浜とか群馬とか一生懸命で,ここは候補地でも何でもなかったんだけれども,知事が先頭に立って,全町村に呼びかけて誘致期成会をつくって誘致して今のようになって,これが茨城県の近代化の一つの芽になるわけですけれども,そういうことをしたのが友末さんでした。  だけれども,昭和30年頃になって,だんだん世の中が落ち着いて豊かになってくると,県民にもいろいろな希望が出てきて,そのころには偉い知事はワンマン知事ということになって,昭和34年の選挙で岩上さんと交替した。  岩上さんは,農協出身ですけれども,私は彼とは20年来の友達で仲間ですからよく知っておりますけれども,政治家というよりは,哲学的な教育者だった。彼も一生懸命に県政に取り組んだ。最初の知事のスローガンは,農工両全。茨城の95%が農民だったんだから,農工両全というのを姿勢にして,後進性の脱却というのが唯一のスローガンだった。だから,後進性の脱却のためには何でもやった。茨城県は貧乏で工場も少なかったものだから,積極的に企業の誘致をする,ナショナルプロジェクトは何でもいいから持ち込む,こういう姿勢でやった。そういうことから,常磐自動車道,筑波の研究学園都市,あるいは鹿島の開発,常陸那珂の跡地利用を,県を挙げてやったんです。どれも簡単にできたのではないんです。学園都市は簡単にできたように思うかもしれませんが,我々が何回も陳情に行きながら,当時の河野建設大臣の最終的賛成を得て決まったんです。岩上さんは本当に幸せなことには,当時池田総理大臣の所得倍増論でもって,日本の景気はどんどん急成長していった。この経済成長の波に乗って,昭和30年代から40年代にかけては,茨城県もどんどん伸びることができたのです。これは,岩上県政にとってはよかった。  そして,昭和49年に茨城県は,国民体育大会を笠松運動公園でやったんです。これが日本で今までの国体では最高のできだと言われた。もちろん,茨城県は優勝した。その閉会式の終わった後,記者会見で,彼は,きょうをもって私は退任すると声明をしたんです。彼はもともと多選反対で知事に当選し4選をやりましたから,そういう意味があったのかもしれませんが。  そして,そのとき,竹内さんが参議院議員で,将来は知事になるという気もあったわけでありますけれども,竹内さんを満場一致我々は推して,昭和50年の選挙を行い,竹内県政が生まれたのです。そして,竹内県政のスローガンは,岩上県政を引き継ぐわけでありますけれども,対話と参加の県政による真の豊かさの実現というのをスローガンで始めたわけです。そして,昭和50年の予算を組もうと思ったら大変なことが起きた。昭和48年からのオイルショックから,経済がものすごく不況になった。茨城県もそのあおりを食ったものだから,130億円も税金が減ってしまった。3,000億円前後のときですから,130億円も切ったら予算組めないんです。どうしたかというと,知事も私ども県議会議員も給与も報酬もカットしたのです。そしてこれを乗り切ろうということでやったんです。次の51年からはよくなった。その波に乗って,彼は国土交通省に力がありましたから,茨城県の常磐道もどんどんどんどんやっていった。しかし後進県茨城は生活面で遅れていることが多かった。特に医療体制は最低だった。そこで竹内県政はすばらしいことをやった。即ち医者が少ない,しかしながら救急医療体制をつくろうというようなことをやったりして,これは日本一なんです。医者は一番少ないけれども,救急体制は日本一だ。そういうことをとっとと彼はやったです。そんなことがありました。そして進んできて,彼がその次にやったスローガンは,世界に開く茨城だった。そして,科学万博をやった。科学万博をやるということは,ものすごく苦労したんです。なかなかここに科学万博なんかは,大阪の後にやるなんていうのはなかなか難しい,それを一生懸命やった。そのために,常磐道も通ってしまうし,いろいろなインフラ整備が進んだんです。工場が4つもできた。そして,筑波研究学園都市ができたわけでありますけれども,このことを通して,彼は世界に開く茨城から今度は,日本のリーディング県茨城と,こういうことです。日本のリーディング県茨城というのが彼のスローガンだった。茨城県は,これから日本をリードする県になるんだよという大きなスローガンで始めた。その内容は,だんだん皆様方もわかってきたと思いますけれども,そういうことから,今のような段取りができました。平成5年に4期18年,相当な足跡を残してやめられた。急なことで後任知事選考は大変でしたが、山口さんとか,梶山先生とか私ども同志はみんなでまとまって橋本昌さんを推薦し,橋本知事が誕生。茨城県は順調に,実際非常によくなったんですよ。  橋本知事のスローガンは,生活者重視の県政,そして健全なる財政の運営,この2つがスローガンだった。県民重視の県政をやる。そして県財政をきちっとするというのがスローガンで始まったんです。その当時,県民の生活は,経済はよくなったけれども,なかなか基本的には中身はよくならないから,県民生活そのものについて厚みをしようということで,橋本県政になって,県民重視の県政をやっていくんだけれども,竹内時代に築いた幾つかの大きなビッグプロジェクトがある。これを全部仕上げなければならない。仕上げることをやりながら県民の生活と両方やってきたのが橋本県政であります。  私どもは,そのときどきで知事を中心として県民がこぞってやれば,茨城県は確実によくなる,こう思うんです。茨城県は一番貧乏だった。95%も農民だったのが今では農民は6%しかいません。茨城の県民所得は30番目か40番目だったのが,今は10番目になった。製造品出荷額も下の方にいたのが,今では全国で9番目,ナンバー8は千葉県。農業は相変わらず2番目か3番目,そういう県なんです。だから,ここで我々は財政がこうだったからといってへこたれてはだめなんです。今までの県政発展の歴史のながれを引き継いで,さらに飛躍するということが必要だ。それがきょう私が皆さんにお願いしたことで,大変前段が長過ぎたから,はしょりますが,今,県政の現況は,知事さんが説明したとおりで全くそのとおりであります。それを緊急避難的に基金は取り崩す,県職員の皆さんには給与をカットしてもらって105億円も浮かす。非常な苦労をして予算を組んだのは事実であります。そして,仕事の方も徹底して削減をして今度の予算が組まれた。  そして,この予算を組むことについて,私どもは説明を聞きながら,皆さん方の本当のご苦労については敬意を表さなければいけないなと思っております。  そこで,これはそれでしようがないんだけれども,この予算編成にマスコミのいろいろな報道でも,財政困難だけが大きく出て,茨城県政はこういうふうに進むよという中味が出てこないですね。これは,やっぱり大変なんです。茨城は財政はこういうふうだけれども,これから先財政も県勢もこうなるよということが県民に対して親切に説明され県民に夢を与えなければならない。  日産のゴーンさんが来て社長になった。リストラはどんどんやった。だけど,日産は世界的企業とし蘇るんだという明確な目標があったから,みんなが協力して今のようにすぐ立ち直った。このような勢いが茨城県に必要なんです。だから,皆さんがこれからやることは,茨城県民に対して県政は確実によくなるよ。今苦しいけれども,平成21年にはプライマリーバランスはできる。そういうことをきっちりということが必要なのですね。これから削減をするけれども,一律削減というのはだめだ。どこの課も一律だとその分だけ削減してどこの係も,今までの一律事業を削減すれば予算をくれると思っているから,みんな前例踏襲でやってきて肝心なリストラができない。リストラするときは,事業は思い切ってリストラする。そして,やることはきちっとやらなければいけない。  竹内知事は,就任のとき,財源不足のことは前にいったけれども,そのとき竹内知事は,最初は,対話と参加の県政と言った。全職員に命じて三千数百という事業を全部洗い出させたんです。どれを洗い出すか,そして洗い出せと,やることを決めろと,こういう号令を出した。そのことは非常に職員に勉強になった。何が勉強になったかというと,職員に対しては,おれの姿勢は対話と参加だ。だから,県民にどんどん聞いてこい。県民がこれはやめろといったらやめる。これをやれといったらやる。だから,ある問題はすぐやめたのもあります。それから,ものすごい指示だったのか新しい芽がはえたんです。みんなが県民の声を聞いたんだから,小さい部分もあった。だけども,それで県政は県民がこぞってやるようになった。そういう姿勢をとればいいんです。だから,皆さんも,これからするとき,スクラップはする,そしてビルドもする方がいいんだよと,これでやれよなというような雰囲気をつくってやってくれれば,この県政は伸びられると思うんです。そういう形で,これからの県政を進めてもらいたい。  ここまでの私の発言で,半分時間を使ってしまったから,総務部長,御所見をひとつ。 102 ◯田山委員長 関委員の質疑に対する答弁を求めます。  上月総務部長。 103 ◯上月総務部長 連綿と続きます茨城県の歴史につきまして,私としまして非常に勉強になるお話を聞かせていただきましてありがとうございました。  部長としてかかわれることにつきまして非常に光栄でありますとともに,また改めまして非常に身が引き締まる思いをいたしております。  先ほどの御指摘の中で,厳しいが前向きの気持ちを失うなと,県政の明るい目標をきちんと持った上でスクラップ・アンド・ビルドをしていけという御指摘でございました。ともすれば,厳しさにかまけまして切る方にばかり目が行きがちではありますけれども,決してそうではなくて,県政の明るい目的,明るい目標を失わないように,委員御指摘のような観点を忘れることなくしっかりスクラップ・アンド・ビルドを努めてまいりたいというふうに考えております。 104 ◯関委員 第1問は総務部長の御答弁のとおりで結構です。これからこの行革の後の財政見通しに立って,これからの県政をどう進めるかということについて,私の意見を言いたいんだ。  それは,県財政について,知事の説明を聞いたけれども,その後,いろいろなデータを私は予測してみた。茨城県の予算はどうなっていくかなということで予測してみたんだけれども,これは,私の偏見もあるかもしれないけれども,まず,茨城県の実質成長率は,平成13年以降,毎年2ないし3.5%ずつ確実に伸びているんです。この伸び率は,国の伸び率よりも全部高いんです。国の数字はこういうので,我が方はこうと。その上昇率は国より多い。次に平成4年から平成13年度までの県の税収はほぼ横ばいだった。だけども,ずっと伸びてきたんです。そして平成13年度のときには,一番のピークだったんです。平成13年は過去最高の税収入を上げている。そして平成14年度以降,毎年3%ないし5%確実に伸びているんです。そして,この税収は,平成19年度も大体3ないし4%の増収が期待できるんです。これを考えますと,茨城県の今イメージが下がらなくて,今までどおりに進んでいけば,来年以降も確実に税収は期待できるんです。そういうことを考えれば,心配する必要はない。  そして,財政再建の一番の基本は何といっても税収が伸びることなんです。法人事業税が伸びなければ何にもならないんです。だから,このことがこれから一番大事なこと。  それからもう一つ,平成21年以降にはプライマリーバランスが来るから,そうすると,このとき,財政はうまくいきます。一つだけ問題なのは,知事も心配しているとおり,交付税が減額されたときだ。国の方は平成16年にばさっと300万円も切ったんですよ。それからずうっと続いたから,300万円プラスアルファがあるもんだから,4年間でもって1,700万円も交付税が切られたんです。このまま続くのは,もうしようがないと思うんです。国は金がないんだから,お前の方にやれないというんだから,しようがない。しかしこれ以上交付税を切られたら大変だ。だから,このことについては,今,知事は関東知事会の会長で頑張っていますから,僕は非常に力強く思っているんだけれども,このことだけは措置しなければならない。だから,我々県会も代議士の皆さんにもお願いして,皆さんもそうだけれども,この交付税だけはきちっと確保しなければいけない。これだけは一つの宿題。  さて,そこで,今度は,我が県の現況を他県と比較してみると,茨城県の平成17年度の決算で見た限りにおいては,実質公債費の負担比率は,全国で38番目です。低い方なんです。それから,実質的な公債費そのものの比率は,少し仕事をうんとやっているから高いが,それでも全国で14番目です。一番公債費を取っている方ではないんです。そして,経常費の収支比率は,悪くはないんです。ちょうど24番目だから。全国の平均なんです。  だから,茨城県の財政運営の仕方は健全なんです。そして,財政力指数,これが問題なんだけれども。財政力指数,これは,とにかく1番,2番,3番,4番は,東京,大阪,愛知,神奈川,こういう順序になってしまっているから,その後になるんだけれども,茨城県は,これも低くないんですよ。財政力指数,千葉県が7番目で,茨城県は8番目です。だから,決して心配する必要はないんです。  これだけの数字を持っていくと,さっきの交付税の削減が今以上にならない。しかも,ここ一,二年,あるいは3年になるかもしれませんが,年間100億円ずつも我々・職員の皆さん方がやってくれている。そういうことを勘案していけば,絶対によくなるんですよ。このことを頭の中に置いて,これからの予算編成をしてもらいたい。  そこで,予算編成するときに大事なのは,先ほど言ったけれども,何をスクラップするかですよ。何をスクラップするか,そして何を伸ばすか,そこのところだけきちっとしなければいけない。これは,行政の皆さん方も,おれのところの仕事なくなったら困るとか何だとかというんでなくて,必要なものだけやるということでやってもらいたい。このことについて総務部長の見解を伺います。 105 ◯上月総務部長 先ほども申し上げましたけれども,まさにそういうふうな意識では,真の意味でのスクラップ・アンド・ビルドはできないんだというふうに思っております。自分のところの事業がもちろん必要な事業ばかりなんでありますけれども,その中でも全体を見渡して,より新しい事業に変えられないか,あるいは節約できないか。そういった抜本的に見直すゼロベースの視点で事務事業は見直していかなければいけないというふうに考えてございます。 106 ◯関委員 そこで,平成合併も進んで,一段落した。世界も日本もどんどんどんどん改革で機構も何も変わってくる。そういう中で,新しい酒は新しい皮袋にという格言がある。この機構を変えなければだめだ。機構を変えなければ。機構があることによって,セクショナリズムがあるわけだから,そこはやっぱり人がいて,仕事はあるから,リストラができないんですよ。だから,重要なところにセクションをつくっていって,それをやらなければならない。だから,僕は,機構をとにかく早急に改革してもらいたい。機構改革を全部やったのは友末さんだった。もうがらがらがらがら変えていった。それでもなおかつ県民の不満はあった。もっとやるべきだろうと思って。そういうことでやっていく必要があると思うんだが。そして,そのときのポイントは,スピーディーに物事が処理できることですよ。調査して計画して審議して,それから考えますなんていってたら,もう世の中おくれてしまうから。計画ができたらぴしっとやる。このことが大事なんだ。  判断を早められること。幾つか中央省庁の出先ではないよという自覚を持ってやること。それから,調査から実行までのスピーディーにできるようにすること。それから,今まではピラミッド式になっていたけれども,できるだけピラミッド式ではなくて,それぞれのセクションがブースごとにやれるぐらいにしなければならない。そういうふうにしてやっていかないとと思うんだ。ピラミッド組織できちっと命令どおりやらなければならないのは警察本部だけでいいんですよ。これは法律どおりやるということだから。そういうふうなことでやっていかなければだめだなと思って,こういうことを一つ申し上げておきたいんです。  そこで,次に今度は人の問題だけけれども,竹内さんはこういうふうにやったな。起案すると,課長に聞くのではないんです。起案者はだれだ,説明させる。知事室で,起案者に,計画した者が説明するんです。それがよければ,そこに課長補佐がいる,課長がいるので決められると,こう言っているんではないんです。この問題ができるかどうか,すぐ東京へ問え。それで関係者に当たってこい。そして,それができればその担当者にやらせたんです。だから,だれもがおれがやることはすぐやれるんだという機運になったんです。そういうふうに,人を生かさなければだめだ。そういう組織をつくる。そして上司もそういうことを考えて,下僚にどんどんどんどんやらせる。そうすれば,研修会も何も要らないんですよ。職員がやれるようになりますから。ただ,その人を認めてやらなければだめだ。往々にして,上の人が抑えていると伸びないんですよ。あるリーダーシップの先生は僕にこう言っていたが,いくら東大の法学部を出たって,所を得なかったら,窓際族になってしまいます。また昔の東大出は,大企業に行けば,上司の命令を忠実にやって,疎漏がないからそのまま行けたけれども,そういうものは今必要ないんだ。頭のいいのはコンピューターが全部やるから,本当はどんどん頭を変えて,やれる,実行力,やる気があるかどうかだ。そのやる気があるかどうかで人を使わなければだめだと,こう言っていたわね。もう時間がないから,次に移りますが,総務部長の御見解を。 107 ◯上月総務部長 御提言にありました件は,まさに私もそのとおりだと思っております。ただ知識がある,頭がいいというだけではなくて,実行力,どういうふうにやっていくかという気力,そういったものが非常に重要だと思っております。また,職員がそういうふうな実行力,やる気を養うに当たりましては,単に研修,座学で受けるのではなくて,やはり仕事を任せられる,仕事をやっていく,そういう中で成果を出していく,そういうことが私も重要ではないかというふうに考えております。  そういった点,御指摘の点,十分に踏まえて対応していきたいと思います。 108 ◯関委員 これで僕は財政の問題とりあえずやめますが,とにかく人を生かして使う。そして上司は,意見を出したり何かする人はけむたくなるのよ。それで,悪い上司は説を殺してしまうの。それをかわいがって育ててくれるように,課長さん方も,知事の命を受けた総務部長は,それを責任者になってやっていかなければいけない。これから頑張ってお願いします。  以上です。  それでは,次に移ります。  僕は,道徳教育のことで,人づくりの具体的な目標について,教育長に伺うんだけれども,大高委員のきのうの質問に答えは6つばかり出た。全部方法論なんだよ。どういう人をつくるかという人づくりの,その人の目標がないのよ。どういう人をつくるかという。親が変われば子供が変わる。どう変わればいいかということはないのよ。話をしなさい,朝飯を一緒に食いなさい。そんな問題ではないのよ。何をするかなんですよ。  僕は教師が変われば生徒が変わるというなら話はわかるよ。だけど,親が変われば子供が変わるなんていうことは,行政のやる人が出すスローガンではない。だれが出したかしらないけれども。だから,どういう人が期待される道徳のある人なのか。道徳のある人というのは,どういう人なのか。具体的に示すことはできないかな。川俣前教育長とも随分やり合ったんだけれども,なかなかいい答え出なかった。これは非常に難しい。 109 ◯稲葉教育長 来年度から実施する道徳教育で目指す生徒像の具体的なこと,まず1点は,ほかの人に素直に感謝を言える人間,2点目としては,他人の話にじっくりと耳を傾け,そして自分の考えをしっかりと表現できる人間,さらに挫折する場面があっても,自分の目標を夢に向かってくじけないで進んでいける力を持った人間,そういうことが道徳教育の目指すところだと考えています。 110 ◯関委員 大変いい点もあるんだけれども,僕は,ある本を読んだら,教育の目的は,意欲とその人に実力を与えることだと,それが教育の目的だと。それから,今言ったように,いわゆる感謝というのは非常に大事で,これは人間の基本だと僕は思うんです。ありがとうということ。それができなければだめだわ。  僕は僕なりに調べてみたんだが,具体的でなければ子供は動かないのよ。だから,出合ったらあいさつしなさい。あいさつさせるということも一つなんです。あいさつができるということは,他人をうやまうことになる。社会に対して礼儀を尽くすことになるから,あいさつなんですね。  それで道徳の一番の基本は,やっぱり愛ですよ,愛。慈しむ心。自分もそう,親もそう,子供もそう,友達もそう,その人に対して愛情を持つことは全部につながる。その愛情を持つようなことをさせなければだめ。これが一番大事だ。そして,僕は,武道人だから申しあげますと,武道は全部礼に始まって礼に終わるというんです。おじぎをして入る。お願いします。終わったらありがとうございました。それができなければ,あした破門だ。そういう,礼に始まって礼に終わるということが僕は一番大事だと思うんだが。京都の偉い坊さんに聞いたら,やっぱり人間はあいさつに始まってあいさつに終わるんだよと,こう言った。だから,あいさつができる子供をつくる。しかしそういうことがなかなか形として出てこない。私は,太田一高の同窓会長に数年前になった。まず服装から始めた。入学式のときに,ばらばらのくつをはいたり,くつ下をはいたり,チョッキを着たりしていたから,これを全部統一した。  今はどうなったかというと,入学式も卒業式も上から下までだれも同じですよ。ぴたっと。また,頭を黄色く染めていたのが何人かいた。ことしは1人もいませんよ。茶髪は1人もいない。また父兄が子供を車で送って,玄関まで来るから玄関はふくそうしてしまう。だから,僕は,先生に注意しろと,強くお願いした。子供は,歩いて通うのが本当なんだから,100メートルか300メートル前で降ろせ,玄関まで車で来るんじゃないと,こう言ったら,そうなった。それが一つずつの教育だと思う。  具体的にやらなければだめなんだよ。そこで,時間がなくなってきたからもう一つだけ言うと,私は,県庁へ入る前に昭和25年から昭和28年までGHQCIAの総司令部のユーススペシャリストとして、ユースアフェアーズテクニカルアドバイザーという仕事をしていたのよ。そのときに,今思い出すんだが,あのころの教育は,強いリーダーシップのできる人を育てることをしなかった。全部平等。アドミニストレーターのすることは,全部の意見を聞いて調整することと言っていた。そのことをよく今考えるんだけれども,日本が軍国主義が強かったのは,リーダーシップをとる政治家がいてきちっとやったからなんですよ。そういうものをなくすれば,日本は平和な民主国家になると。だから,形を決めてリーダーシップをとれる子を育てないんですよ。  今の学校がそうだよ。競争させない。何でも悪平等ですよ。だから,立派なリーダーは育たない。育たない方が当時の政治にしてはよかったんですね。それを今変えなければいけない。だから,先生のリーダーシップも今ないんですよ。校長さんが先生に号令かけられないんですよ。校長は先生を指揮監督する責任があるんですよ。あした早く来てくれ,何時に来てくれ,用があるから。そんなことねえよ,いつものとおり来ますよと,それでそれにこたえられない。それをはっきり来てくれよと言えない。そういうふうでは,体育なんか絶対伸びないよ。そこのところがこれから一番大事なところなんです。  それで,私は道徳のことを言っていますが,道徳もそうなんですよ。先生方ができなければ子供なんかできませんよ。その先生を先生が指導するんだから,それを5回も6回も研修会をやって,講習会をやって,こうやったって偉そうなことを演説したって,一つも聞かないよ。あしたから,こうせいというんですよ。教室へ入ったら,おはようございますと言え,言わなかったら仕事始めるなと,このくらい言うべきですね。みんなが立っておはようございますと言うまでやるの。そういうふうに一つ一つやっていけばよくなるのよ。  ある学校で,体育の先生が子供をどんどん厳しく叱って指導した。ものすごく荒れていた学校だけれども,今ぴしっとしちゃった。現実にあるんだから。父兄はみんなして喜んでいた。一人も怒った人はいない。そういうふうな雰囲気ができなければよくなりませんよ。暴力がいいということではないんですよ。それだけの自信を持って子供を育てなければついてきませんよ。そんなことをひとつやってもらいたいと思う。  時間が来てしまったので,僕は,以上をもって終わりにしますけれども,最後に委員長。 111 ◯田山委員長 時間が過ぎています。 112 ◯関委員 委員会のことについて,だれも報告しなかったから申し上げますけれども,常任委員会,それぞれいろいろな意見もありましたけれども,全部予算案は通りましたから,そのことだけ御報告して終わります。  どうもありがとうございました。
    113 ◯田山委員長 以上で,質疑を終了します。        ─────────────────────────── 114 ◯田山委員長 これより付託議案の採決を行います。  採決は,区分して行います。  第2号議案,第4号議案,第5号議案,第7号議案,第15号議案ないし第18号議案及び第20号議案ないし第24号議案について,原案のとおり決することに賛成の方は挙手願います。                  〔賛成者挙手〕 115 ◯田山委員長 挙手多数と認め,原案のとおり決しました。  次に,第3号議案,第6号議案,第8号議案ないし第14号議案及び第19号議案について,原案のとおり決することに御異議ありませんか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 116 ◯田山委員長 御異議なしと認め,原案のとおり決しました。        ─────────────────────────── 117 ◯田山委員長 以上で,本委員会に付託されました議案の審査は終了いたしました。  なお,本委員会の審査報告書等の案文につきましては,委員長に御一任願いたいと思いますが,御異議ありませんか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 118 ◯田山委員長 御異議なしと認め,そのように決しました。        ─────────────────────────── 119 ◯田山委員長 次に,閉会中における事務調査の件を議題といたします。  1 予算特別委員会の運営について  2 予算状況の調査について  以上を閉会中の事務調査といたしたいと思いますが,これに御異議ありませんか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 120 ◯田山委員長 御異議なしと認め,そのように決しました。        ─────────────────────────── 121 ◯田山委員長 2日間にわたる本委員会の審査に当たり,委員並びに執行部の皆様には,長時間にわたり終始熱心に御審議をいただき心から感謝申し上げます。  以上をもちまして,予算特別委員会を閉会いたします。  2日間,大変お疲れさまでした。                 午後1時53分閉会 Copyright © Ibaraki Prefectural Assembly, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...